泰山登山

10年以上前に、三峡ダムの建設現場を訪問した際、ダムの堤体に掲げられていた大きな垂れ幕に書かれたスローガン「泰山に匹敵する程の高品質のダムを建設しよう」を見て、中国人にとって泰山が特別な山であることを知りました。これ以来、機会があれば泰山を登ってみたいと思っていたのですが、これまでその機会に恵まれませんでした。今回の山東大学から講義依頼を受けた時、招聘していただいた山東大学環境科学工程学院のNi副教授から、泰山は大学のある済南市からすぐ近くで、一緒に泰山に登りましょうと言われ、二つ返事で引き受けた次第。
泰山は、山東省泰安市にある山。高さ1,545mの中国5岳の一つで、五岳の中で最も尊い周時代(3千年前)からの聖地。富士山に相当する山・泰山には年間700万人が登るそうです。泰安市は、「泰山が太平であれば、全国各地が太平になる」ということわざから生まれてきて、「国家が太平で、国民の暮らしが平安になる」という意味が含まれているとのこと。
7月4日(土)に車で、済南から高速道路を使って3時間の曲阜に行き、孔子廟を見学。その後、泰安市まで戻り、山裾のホテルにチェックイン。夕食後、雄大なプロジェクトマッピングとパーフォマンスを組み合わせた「中華泰山封禅大典」を鑑賞。このショーは歴代皇帝が泰山で行った天地を祭る儀式を現代に再現したもので、巨大な階段状のステージ上にプロジェクトマッピングで背景が映し出され、200人を超えるパーフォマーが演ずる舞台は魅力的でした。これと同様のもので、水上で演じられる舞台を桂林で見ましたが、それ以上の迫力。

DSC07092

巨大な階段でのパーフォーマンス

DSC07099

舞台の階段が割れる
翌5日(日)の9時に泰山の登山口・岱宋坊から、専用の大型バスでロープウェイの乗り場・中天門まで、そこから泰山の頂上近くの南天門(1,460m)までは15分かけてロープ―ウェイで運んでもらう。(中天門ロープウェイ)

DSC07101

岱宋坊からスモッグでかすむ泰山を望む

DSC07103

ロープウェイの乗り口まで送るマイクロバスに並ぶ観光客

DSC07131

泰山観光案内図(右の黄色のルートで乗り場に、点線のロープウェイで南天門駅に。帰りは、左の点線で桃花源駅に。そこから左のルートで下山)

DSC07114

ロープウェイで泰山を目指す

DSC07118

ゴンドラから発着駅を望む

DSC07125

南天門を目指す登山客(自力で中天門駅から頂上までの3,967段を登ってきた観光客)

南天門付近は日曜日で多くの観光客で賑わっていました。

DSC07126

南天門

DSC07130

南天門の様子

頂上の玉皇頂(1545m)までは天街を散策。頂上までの道すがら、儒仏道三教道合一による、道教以外の孔子廟・仏教寺院がありそれを見学。

DSC07144

泰山にはこの種の岩が多い

DSC07147

泰山での孔子廟

 

DSC07152

孔子廟近くからの眺め

DSC07175

無名碑(石碑全体に何も書かれていない。漢の武帝が建立した

高さ5.2mの石碑。武帝が泰山を封禅した時のシンボル)

DSC07178

泰山の山頂にある道教のお寺(頂上を示す碑の左に

大きいコインがあり、観光客がそれに向かってコインを投げ、当たって

音が出るといいことがある。石碑の周辺には願いごとを書いた鍵が掛けられている)

DSC07167

頂上近くにある宿泊施設

DSC07189

頂上から下って、下りのロープウェイ乗り場に向かう
頂上で一休みした後、南天門からもう一つのロープウェイの乗り場・西天門駅に。そこから、15分かけて桃花源駅に。

DSC07191

下りのゴンドラから西天門駅を望む

そこからまたマイクロバスで麓まで降ります。途中、泰山からの湧き水を集めた渓流がありますが、今年は雨が少ないそうで、下流では枯れ川となっていました。

DSC07192

泰山の渓流沿いで結婚式の前撮りの様子