近畿地方は例年よりも1週間程度早く梅雨が明けた。3年前にテレビの報道で、梅雨明け直後の伊吹山の山頂での高山植物の花畑が紹介されたのを見て、伊吹山に行きたいと思っていたが、新型コロナ騒動で、実現できていなかった。ワクチンの接種が終わったこと、平日なら混雑も少ないだろうと判断し、21日に伊吹山に出かけた。久しぶりの遠出ドライブである。
最寄りの門真ICから第二京阪道路と名神高速道路を使って、関ケ原ICで降り、伊吹山ドライブウェイ入口に。自宅から約200㎞の距離となる。ラッシュ前に自宅を出たこともあり、8時15分にドライブウエイの料金所に到着した。朝早いこともあり、ドライブウェイはガラガラ。17㎞をゆっくり景色を楽しみながら走って、約20分でスカイテラス駐車場(標高1260m)に。一番乗りかと思いきや、すでに駐車場には20台余りの車が駐車していた。駐車場の気温は25℃。下界とは、8℃もの気温差であった。
早朝の駐車場の様子
ハイキング用に着替えを済ませ、西登山道コースで山頂を目指すことに。登山道コースの入口手前に、100名山の標識と、松尾芭蕉の句碑があった。芭蕉の2400㎞に及んだ「おくのほそ道」の旅路の終着点は大垣で、2週間滞在した。滞在中に伊吹山を見て詠んだ句が、句碑に刻まれていた。
芭蕉の句碑
伊吹山(標高1377m)は、滋賀県と岐阜県の県境に位置し、日本100名山に選ばれている滋賀県で最も標高の高い山である。東海道新幹線で米原を過ぎると左側に見える山で、山頂部が白っぽく見えるユニークな山。山が石灰岩からなり、山頂部は冬季の寒冷な季節風の影響を受け、大きな木が育たず草地になっている。伊吹山は標高がそれ程高くないものの高山帯の様相を呈し、好石灰植物が群生することで知られている。(伊吹山ドライブウェイのパンフレットによる情報)信州のようなお花畑を期待していたが、西登山道コース沿いには高山植物はちらほらとしか見えない。
クガイソウ
ヤマホタルフクロ
ミヤマコアザミ
半分くらい登山コースを登ったところで、柵に囲まれが場所で、色々の高山植物が群生していた。
夏の伊吹山の代名詞的な存在の「シモツケソウ」の群落
伊吹山でも、信州と同じく二ホンシカによる食害で貴重な高山植物が絶滅の危機にある。伊吹山ではシカの食害を防ぐため、山頂付近の草原を鹿柵で覆って、シカの進入を防いでいる。5年くらい前のネットにアップされている写真と比べてみると、回復はその途上といわざるを得ない。ゆっくりと高山植物を探しながら散策し、伊吹山山頂に約40分で到着。
山頂部に伊吹山とゆかりのある「日本武尊」の像
山頂部近くの柵に囲まれたお花畑。手前の白い花は「シシウド」
山頂部はシカ除けの柵で保護されている、奥には防風柵
山頂部から琵琶湖を望む
山頂部で一休みした後、下り専用の東登山道コースを降りようとしたが、コースの入口に装備の不十分な人には危険との表示があり、東登山道コースをあきらめ、中央登山道コースで下山した。この中央登山道コースは階段で、距離は短いが年寄りにはきついコースであった。
中央登山道コースの階段
スカイテラス駐車場に10時半に戻る。スカイテラス伊吹山で名物の「伊吹薬草ソフト」を頂いた後、ドライブウェイを下る。
スカイテラス伊吹山の展望デッキからの眺め。西登山道がシカ除けの柵で守られている。
中に望遠レンズを構えたカメラマンの集団を2か所で見かけた。イヌワシが撮影できるとのことで人気がでているとのこと。
伊吹山山頂近くの石灰岩の露岩地
山を下り、「道の駅伊吹」の隣に位置する蕎麦屋「伊吹野」に立ち寄り、昼食。伊吹山は日本蕎麦発祥の地といわれ、人気の蕎麦屋が多い。
道の駅伊吹の駐車場から伊吹山を望む
帰りは、北陸道の長浜ICから名神高速道路に入り、「多賀サービスエリア」で買い物をする。多賀SAは宿泊施設、シャワールームなども併設した最新のSAで、「EXPASA多賀」の愛称が付けられている。多賀SAから瀬田で第二京阪に乗り換え、門真IC経由で、帰宅した。