瀋陽に寒波襲来

12月3日~7日、中国・遼寧省瀋陽に出かけた。今回の訪問の目的は、東北大学機械自動化学院での講義と研究指導である。
3日午後に瀋陽に到着した時、出迎えてくれた友人の東北大学の朱教授の話では、瀋陽は例年になく穏やかな冬であるとのこと。それでも、日が落ちると冷え込み、暖かい大阪に住む者としては思わず身震いする。
この時期、例年だと中国のPM2.5による大気汚染が報道を賑わすが、政府による規制の効果が出ているのか、滞在中これまでのようにスモッグに覆われることはなく、日本と変わらない青空が広がっていた。

ホテルの部屋から東北大学のキャンパスを望む(瀋陽では珍しい透き通った青空)

5日の午後6時半から2時間、東北大学機械自動化学院の大講義室で、朱先生の授業を受講している学部学生、大学院学生50人を対象に講義した。東北大学では講義室が不足していて、昼間に学部の講義を優先することから、大学院の講義の多くは夕方から始まる。

最初に、熊本県、熊本大学の紹介の簡単な紹介をした後、「アナモックスプロセスの適用動向」について話した。中国では、アナモックスに関する研究が非常に盛んで、アナモックスに関する学術論文の半分以上が中国の研究者によって執筆されている。嫌気性消化の脱離液を処理対象にした大連市での実プラント、埋立地浸出水を処理対象とした湖北省十堰での実プラントが稼働中で、今後一気にアナモックスの実用化が進むものと思われる。

4日は放射冷却で冷え込み、5日の夜には今冬初めての降雪があった。6日の最低温度はマイナス14℃に。朝のCCTVのニュースでは、黒竜江省の北部では最低気温がマイナス41℃を記録したことが報道されていた。

雪景色の東北大学キャンパス

雪道を車間距離をとってゆっくり進む車

7日朝の瀋陽空港の様子。日陰はアイスバーンに

穏やかな冬が一変して急激な寒波、寒さに慣れてる瀋陽の人々に本格的な冬が到来した。