7月26日から29日、韓国・釜山市で開催された三大学ワークショップ(WS)に参加した。このWSは10年前に、韓国・釜山国立大学土木環境学院の金昌元教授が熊本大学の私の研究室訪問をきっかけに熊本大学と釜山国立大学との間で始まったもので、毎年交互にWSを開催してきた。4回目から私と金教授の共通の友人が中国・大連理工大学環境学院の全燮教授(Prof. Xie Quan)のグループが加わり、三大学のWSとなった。このWSは学生が主体となる研究発表会で、学生の英語での発表能力を高めること、国際的な人的ネットワークの構築を目的としている。私の定年退官を機に、日本側の幹事は大阪大学の池道彦教授にお願いしている。韓国側の幹事は、金教授の退官に伴って、大阪大学で博士学位を取得した釜山国立大学の李泰鎬教授がつとめている。中国側の幹事は、私の研究室で博士の学位を取得した大連理工大学環境学院の喬森教授である。
日本からは、大阪大学出身の北里大学の清和成教授の研究室、山梨大学の森一博准教授の研究室も加わっていただいている。今回は、スリランカら初めてThe Open University Suri LankaのBandunee教授(大阪大学で博士の学位取得)も参加し、参加者が50人を超える国際的なWSとなった。会を重ねるにつれて、学生諸君の英語での発表能力も向上するとともに、活発な質疑応答が行われ、初期の目的が達成されていて嬉しい限りである。学生間の交流も3日間一緒にいたことから最終日には別れを惜しむ様子が見られ、学生諸君の国際的な人脈の構築にこのWSが役に立っていると確信した次第。
28日は、李教授のお世話で発展が目覚ましい釜山港の視察が行われた。その様子を紹介する。
9時にホテルを観光バスで出発し、釜山国際会議場(BEXCO)近くから、広安大橋(通称:ダイアモンドブリッジ)に乗る。
海雲台からBEXCOに行く途中で見つけたバス専用レーン
片道4車線のダイアモンドブリッジ(西南方向)
この橋は全長7.4㎞で2003年に開通した日本では目にしない4車線の二層構造の橋。上層は西南方向、下層は海雲台方向となる。この橋のライトアップは見事である。(2016年9月8日のブログを参考にしてください)その後、釜山港大橋を経由して釜山港に。ここで、Busan Port Authority(BPA)の船で釜山港を案内してもらう。港を出て、コンテナヤードを左手に見ながら進み、釜山港大橋に下をくぐる。
コンテナヤード
釜山港はコンテナ貨物のハブ港として発展をとげ、現在世界第5位のコンテナ取扱量を誇る。世界各国から釜山港に運ばれるコンテナを日本や中国の地方港に向けて送り出す、ハブ港としての役割を担っている。釜山市はこのコンテナ基地としての釜山港の更なる発展を目指して、現在釜山新港にコンテナ専用ヤードを建設中で、これが完成した際には、全てのコンテナ基地を釜山新港に集める計画。現在の釜山港は下のパンフレット写真にあるように、緑で囲まれたウオーターフロントが素敵な港に生まれ変わるとのことで、その完成が待たれる。
釜山港入り口の灯台付近の岩礁帯(背景に海雲台)
ここを通り抜けると外海となる。外海を少しクルージングした後、船は再び釜山港に入る。港に入るとすぐに左側に小さな島が。ここに韓国海洋大学のキャンパスがある。(今回のWSに海洋大学の学生の発表が1件あった)
韓国海洋大学のキャンパス(橋でつながれている島にキャンパスがある)
さらに港の内側に進むと左岸に円盤型の屋根が特徴的な国立海洋博物館が。
その後、釜山港大橋をくぐり湾の中に。この釜山大橋は全長3.3kmの斜張橋で中央の一番高い場所が60m。韓国で一番高い橋だそうで、1艘の豪華客船を除いて、全ての豪華客船は釜山港に入港できるとのこと。さらに、港の奥に進むと、左岸に建造中に船が2隻見えた。尾道で見たドックとの対比で、改めて日本の造船産業の衰退を実感した。
釜山港にある造船所で建造中の2隻の船
港に帰って、港近くに魚市場・チャガルチ市場を見学。日本では一般的でない魚が多く売られていた。(ボラ、エイ、ユムシ、イシモチ等)
市場の食堂で新鮮な魚が振る舞われる昼食を堪能し、バスで海雲台のホテルに帰る。
海雲台は、年間100万人が訪れる韓国で一番人気の海水浴場。長さ1.8㎞の広い砂浜に多くのビーチパラソルが立ち並ぶ様子は圧巻。以下、NOVOTELホテルの野外ビアガーデンでの懇親会に行く途中に撮った海雲台海水浴の様子をいくつか紹介する。
海雲台の入り口に向かう道(以前は道路の部分が片道1車線を除いて全て歩道に)
海雲台海水浴場(午後7時でもこの賑わい)
海雲台を面して建設中のマンション2棟(このマンションを購入すると韓国へのビザが不要とのうたい文句で中国人向けに販売したが、汚職事件に発展しているとのこと)
砂浜で見かけたミュージシャン(砂上ライブ?)
砂浜でアイドルの卵?のパーフォーマンス
とにかく多い似顔絵書き
広大な砂浜の整備に使う重機?
いずれにしても、このような大規模な海水浴場に多くの若者、家族連れが集まり、深夜まで賑やか。韓国の経済成長を実感。