平成28年熊本地震

熊本に17年間住み、火山性の小規模な地震は何度となく経験したが、震度5を超える大規模な地震は一度もなく、熊本は地震の影響が少ない街と思っていた。しかし、所属した熊本大学工学部社会環境工学科に探査工学を専門にする小池教授(現在は京都大学教授)が日奈久断層をフィールドとしていたことから、卒論、修論の発表会で、断層の話はよく聞いていた。しかし、まさかこの日奈久断層が、今回のような大地震を引き起こすとは夢にも思いませんでした。
前震の後お見舞いの電話を熊本市に住む友人や知人にした時は、食器が割れて今後片付けをしていますとのことだったのが、本震の後に再度電話すると、これまでに経験したことのないひどい揺れで、「これで自分の人生終った」と観念したとのこと。
今回の熊本地震の特徴は、大きな前震の後に、より大きな本震が襲ったこと、余震の回数がこれまで記録にあるどの地震よりも異常に多いことである。この地震を経験した人は余震が治まらないことが一番の不安で、いつも体が揺られている感じで気分が悪く、落ち着いて眠ることができないと訴えている。本震での異常体験がトラウマとなり、自宅に帰ることができず、安全な避難所に避難している人が多く、避難所に入れない人は車の中で不自由な避難生活を強いられている。

今後、いつどこで起こってもおかしくないと、大阪にいる私に今回の地震体験からの注意喚起のメールをくれた知人の村嶋さんに感謝し、熊本の一日も早い復興を願っています。

以下、村嶋さんからのいつ来るかわからない地震に備えてのアドバイスです。

1.防災グッヅは是非準備しておく事

2.水が如何に大切か痛感しました。飲料水はいくつかの避難所を巡ってペットボトル1本づつ貰って回りました。

次に、トイレの水です。トイレのタンクに何杯汲んでも必要量に達しません。

1)        風呂残り湯を残しておられた方達は良かったようです。(トイレタンク容量のチェック要)

2)        天然水を沢山分けて貰いましたが、下痢しました。(未消毒水は長期になったら煮沸が原則)・・・井戸水と思われます

3)        普段の買い物は行きつけの個人商店を決めておく(食料は優先的に100円均一で分けて貰えました)

3.食料は、電気が通じていますので、レトルト食品・缶詰が助かります。(レンジが使えるのが有難いです)

4.お風呂に入る事が出来ません、皮膚洗浄スキン・髪を洗う為の泡シャンプー。口腔洗浄うがい薬。

5.下着(身近な人には依頼しやすいでしょう)

6.持ち運び便利な薄くて軽くて暖かい布団・毛布。

以上

 

 

 

 

大阪市の桜(2016年)

大阪市では3月23日に桜の開花宣言があった。暖冬の影響もあり、例年よりも早い開花宣言となった。しかし、その後3月末までに花冷えが続いたこともあり、満開は4月2日といつもよりも時間がかかった。

自宅近くを流れる大川(旧淀川)は毛馬洗堰(けまあらいぜき)から天神橋までの約4㎞にわたって4800本ものソメイヨシノの桜並木が続き桜の名所。これに加えて、造幣局の造幣局構内大川沿いの全長560mに植えられている遅咲きの八重桜は、1週間一般に開放され(今年は4月8日―14日)、造幣局の通り抜けとして有名です。(すでに2014年4月、2015年4月の水めがねで紹介済み)
今年も、散歩がてら大川沿いの桜、造幣局の桜を開花から満開まで楽しんだ。自宅近くにある公園の桜を意識して見て回ったので紹介したい。
大阪市の公園面積は、他の政令指定都市に比べて少ないといわれているが、それでも市内には市営の都市公園が平成24年4月現在で、978箇所もある。北区では滝川公園、本庄公園、中央区では、北大江公園、中大江公園、都島区では藤田邸公園、東野田公園の桜を紹介する。

北大江公園

中央区・北大江公園の桜(4月2日)

中大江公園

中央区・中大江公園の桜(4月2日)町内会の桜まつり

滝川公園1

北区・滝川公園(4月4日)前日の雨で散った桜の花びらの絨毯が

本庄公園

北区・本庄公園の満開の桜(4月5日)

藤田邸2 (1)

藤田邸2 (2)

都島区・藤田邸公園の桜と桃が満開に(4月3日)

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都島区・東野田公園の桜(4月9日)桜は散り初めだが

の多くの家族連れが遊びに来ている

 

 

 

ホーチミン市のインフラ

首都ハノイとホーチミン(HCM)を結ぶのがベトナムの大動脈国道1号線。HCM市近郊ではその整備が急ピッチに進んでいる。
写真はHCM市近郊の1号線の様子。片道3車線の舗装道路、写真右側の広い単車専用道路、植栽された中央分離帯が続く。

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車道と単車の走る道路が区別されている

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このような高架道路で交差点での渋滞が緩和された

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中央分離帯の左に、建設が進む都市交通の高架鉄道

また、現在、1号線沿いにHCM市と郊外のバーソンと中心地ベンタイン市場の間19.7㎞を結ぶ「ホーチミン市都市鉄道」の建設が日本のODAを使って進んでいる。ベンタイン市場とスオイティエン間は地下で、スオイティエンとベンタイン市場の間は高架で結ぶもの。この間に14駅(地下:3か所、高架:11か所)が設けられる予定。
高架部分は、住友商事と地元ゼネコンとのJVで、地下部分は清水建設と前田建設工業とのJVで進められている。車両・電気・通信・信号システム、軌道、開業後5 年間の保守については国際競争入札の結果、日立製作所が受注している。
高架部分の工事は順調に進んでいて2017年には完成の予定。地下部分は工事が難航していて2019年2月の完成を目指している。ハノイ市は、高架部分を先行して開業する予定。
この都市鉄道の完成で、HCM市の交通渋滞が緩和される予定で、HCM市の一層の発展が見込まれている。

一方、ハノイでは、2013年7月9日の水メガネでも紹介したが中国のODAで「ハノイ都市鉄道」としてモノレールの建設が行われている。本来ならば、すでに開通している時期であるが、工事中に死亡事故が相次いだ他、追加工事費等の問題で工事が思うように進んでいない。
この工事の遅れは許せないようで、HCM市では都市交通の建設工事が順調に進んでいることと対比して、ベトナム人の中国への不満は非常に大きい。この話になると、ハノイではもちろんであるが、HCMでもベトナム人は声を荒げて中国を非難し始める。
今回、Vietnam Academy of Science and Technology(VAST)翼下のInstitute of Tropical Biology副所長のLe Cong Nhat Phoung博士の案内でHCM近郊のHiep Phuoc工場団地の排水処理施設を見学した。この工業団地には、古紙再生工場、染色工場、皮革工場、と殺場などが入っているとのこと。 各工場は除害施設で受け入れ水準まで排水を前処理した後、共同の排水処理場に排水する。この処理施設は、計画流入排水量6,000m3/dで設計されているが、現状は2,500m3/dの排水を受け入れて処理している。
排水は硝化―脱窒循環法で運転されていた。

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凝集沈殿池

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生物処理槽(手前の2池は硝化槽)

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最終沈殿池(スキマー付)

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処理水放流口(流入水の色に比べ、良く処理されていることがわかる)

流入排水はPACで凝集沈殿処理された後、容量1,100m3の脱窒槽に流入する。後段の容量2000m3の硝化槽から循環比2.0で循環返送される硝化槽混合液中のNO3-Nが流入排水の有機物を水素供与体として活用して脱窒処理される。この処理で、流入水(COD 800-900mg/L、T-N平均80mg/L、塩分濃度1,000mg/L)が、COD<80mg/L、T-N<30mg/Lに適切に処理されていた。処理水量、COD、SS、pHが自動計測されて、日本と比肩するレベルには驚かされた。  処理で発生する余剰汚泥は脱水処理された後、コンポスト業者に処理を委託しているとのこと。工場排水であるので汚泥には重金属が含まれている可能性が高く、コンポスト肥料の安全性が懸念された。 ベトナムには283の工業地区があり、そこから発生する産業排水の量は約100万m3/dと見積もられている。半分以上の工業地区、工業団地で集中的な排水処理がなされていないのが現状であり、今後この程度の工場排水の集中処理が一般的となり、ベトナムの工場排水による水環境汚染が無くなることを期待したい。

ベトナム料理

久しぶりに、フエとホーチミンに出張しました。

ハノイからベトナム航空で1時間のフライトでフエ空港着。フエ空港は一時封鎖(2013年3月20日から9月19日まで)して滑走路を3,000mに延長した結果、ジャンボも着陸できるようになったとのこと。観光インフラが整備されれば、ベトナムにおいて最初に世界遺産に登録されたベトナム最後の王朝、グエン朝の王宮他の建築群を抱える古都フエは、大きな発展が見込まれます。
今回フエで宿泊したホテルは新市街に最近改築されたEldoraホテル。これまでは、市内を流れるフォン川沿いの古いホテルを利用していましたが、今回教え子のフエ科学大学のファム先生にお願いして予約してもらったのがこのホテル。最近改築された4つ星ホテルで、部屋は広く、無線Wi-Fiも完備、朝食も充実した内容で、快適に過ごすことができました。
フエは宮廷料理が有名です。今回一番印象に残ったのは、フエ宮廷料理の一つバインベオ。5㎝くらいの小皿に米粉、タピオカ粉、水からなる生地を流し込み、皿ごと蒸し、蒸した上がった生地の上に、炒った乾燥エビとカリカリにローストした豚の皮がトッピングされます。ヌックマムベースのタレを垂らし、スプーンを使って生地を皿から剥がして食べます。カリカリの豚の皮の食感が絶妙で、箸が進みます。2人でこの量のバインベオを完食。

バインベオ

次に出てきたのが、バインナム。米粉とタピオカをペースト状にした生地に、海老のすり身をのせ、バナナの葉で包んで蒸した粽のようなもの。写真の上ように、バナナの葉を広げ、箸で生地を剥がして食べます。中々の味でした。

バインナム(左)とそれを広げたもの(上)

フエではビールといえばフーダビール。カールスバーグに買収されたとのことで、ラベルも以前とは変わっていました。(写真左)味はすっきりした味のビールに馴れている私にとってはもう一つでした。
写真の上に写っているのが、細かく刻んだ豚肉、海老、野菜のいためものを煎餅に乗せて頂く一般的なフエ料理。

左上はフーダビール、右上は豚肉、海老、野菜のいためものを

テーブルの中央にあるのが、小魚を土鍋で甘辛く煮込んだもので、コーカートー。ご飯によく合います。ベトナム版おふくろ味です。

中央の土鍋がコーカートー
今回、久しぶりにフォン川沿いの喫茶店のテラスでベトナムコーヒーを注文してみました。コーヒーはアルミ製のドリップ容器に乗せられた状態で出てきます。ドリップに時間がかかり、出来上がった時には冷め切ってしまいます。それを少しでも暖かくしたいとの考えかお湯を入れたガラス容器に乗せられた状態でてきました。ドリップに10分間以上かかるので、出来上がった時は生ぬるい状態。私には苦手なとっても強い味でした。

ベトナムコーヒー
最後に、今回の旅の最後にホーチミンで食べたオニテナガエビを紹介します。このテナガエビハ15年前にHCMをセミナーで訪問した際に頂き、淡水産であるのに体長28cmにもなる大きさに驚くとともに、その味もいいことから、いつもHCMを訪問する度注文しています。今回は、蒸したものと焼いたもの両方を注文しました。写真はグリルしたもの。味は絶妙。手の部分はウエイトレスにお願いして食べやすくカットしてもらうと、中から細いチューブ状の香ばしい香りの蟹肉が出てきます。

グリルしたオニテナガエビ