第4回のBusan Global Water Forum:BWF(2016年8月31日―9月1日)に招待講演を依頼され、釜山に出かけた。釜山市は人口340万の韓国第二の港湾都市、特に夏場には韓国で最も有名なビーチ「海雲台(ヘウンデ)海水浴場」を訪れる多くの観光客で賑わう。
8月30日に関空から釜山に飛び、地下鉄の海雲台駅近くのCitadines Haeunde Busanにチェックイン。このホテルはワンルームマンションとして開発されたものを、2年前に観光客用にホテルに改装したもので、部屋にはキッチン、冷蔵庫、洗濯機が完備していて、家族向けには今後人気が出そうであった。まだまだ暑くて、海水浴に来た米軍関係の客で賑わっていた。
ホテルの部屋から海雲台ビーチを望む
海雲台の山沿いに開発されたマンション群
30日には、BWFの組織委員会から、釜山マリーナから大型ヨットに乗っての夕食会に招待された。船上から2003年に開通したライトアップされた広安大橋、マリーナ近くの高層ビルを眺めながらのクルージングだった。広安大橋は市内と海雲台を結ぶ、全長7,420m、900mが2階建ての吊橋で、夜にはライトアップされて観光名所となっている。
日没前の広安大橋
ライトアップされた広安大橋
釜山マリーナ横に林立する高層ビル群
BWFは釜山市のコンベンションセンター(BEXCO)で開催された。BEXCOは2001年9月にオープンし、そのオープニングイベントとして国際モーターショーが開催された。このBEXCOを訪れるのは3回目であるが、最初に訪れたと時には、釜山でこのように大きなコンベンションセンターがうまく運営できる心配であった。しかし 、釜山市の努力もあり世界的な規模の様々なイベントの誘致に成功し、現在では施設の更なる拡充を考えているとのこと。日本の多くの都市がコンベンションホールを建設し、町おこしの起爆剤としての役割を期待しているが、それほどうまく機能していないのが現状。是非、釜山のBEXCOを見習って欲しいものである。
BEXCOの外観
2012年のIWAの世界大会(World Water Congress)がBEXCOで開催されたことをきっかけに、シンガポールで開催されるWater Weekを模範に釜山市の主催でBWFが毎年開催されるようになった。今回のフォーラムはWater & Future City Institute(WCI)とIWAが共催で、“Water-Energy Nexus for Sustainable Water Solution”をテーマに、20カ国から700人の参加者があり盛大に開催された。
BWFの開会式では、大阪大学時代の教え子で釜山国立大学の李教授のウエルカムスピーチもあった。
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開会式で挨拶する李教授(釜山国立大学)
開会式の後、IWAのHelmut Kroiss教授、ペンシルベニア州立大学のBruce E. Logan教授のKeynote Speechでフォーラムが始まった。このKeynote Speechの後、併設されているBEXCO一階の展示場で開催されている“Environment & Energy Tech 2016”を参加者全員で見学した。会場で最も目を引いたのは、燃料電池車で現代自動車から乗用車以外にバスの展示もあった。
展示されていた燃料電池バス
31日の午後から以下の4つのセッションが2日間にわたって開催された。
Session 1 Water-Food-Energy Nexus
Session 2 Asian Perspective in Water-Energy Nexus
Session 3 Water-Energy Nexus for Future Water Systems
Session 4 Commercial Technology for Water-Energy Nexus
今回、低コストで省エネの窒素除去技術である嫌気性アンモニア酸化(アナモックス)に関する話をして欲しいとの要請を受け、2日目の午前中にSession 3で以下の招待講演をした。
“High Applicability of Anammox Technology for Energy-saving Ammonium Removal Process”
31日のBEXCOの地下のレストランで開催された夕食会の後、李教授に誘われて最近若者に人気の“The Bay 101”で開催された二次会に参加した。この場所は、釜山マリーナの横の半島状に突き出た高層ビル街の裏側の海岸沿いに開発された場所で、まるでシンガポールのマリーナベイ沿いのレストランに居るような気分になる。
The Bay 101の野外レストラン
久しぶりの釜山であったが、多くの知り合いの先生方と旧交を改めることができ有意義な4日間であった。