985三期建設計画により外国の専門家として、2週間同済大学環境科学院と環境科学工程学院に出かけ、学部4年生と大学院生に講義と研究指導を行ってきました。同済大学は熊本大学との交流協定校でこれまでに3回訪問していますが、いずれも短期の訪問で、今回のような長期滞在は初めてになります。12月にもう一度2週間訪れる予定です。
環境科学工程学院の建物
長江水環境教育部重点実験室の建物
学部4年生への講義風景
同済大学はドイツ人医師によって1907年に創立された医学校が起源の伝統ある国家重点理工大学。建築、土木(特に橋梁分野)、鉄道、海洋、環境分野に秀でた大学で、学生数50,000人(学部生22,000人、修士課程大学院生12,000人、博士大学院生3,000人、留学生1,500人、継続教育、高等職業教育学生12,000人)、専任教員2,600人(中国科学院アカデミー会員5名、工学院アカデミー会員7名)の上海を代表する大規模大学です。
今回の滞在を通じて、中国の代表的な大学のキャンパスライフを垣間見てきました。学生は全て全寮制で、学部学生は4人部屋、修士課程の学生は2人部屋、博士課程の学生は個室が与えられます。食事はキャンパス内で済ませ、食事後は部屋に帰っての勉強。レベルの高い大学ということもありますが、日本の学生と違って勉学意欲が高いことに驚きました。今回、環境科学学院の4年生に英語で講義しましたが、ほぼ理解できていて、質疑応答もしっかりと英語でできました。このような語学堪能な優秀な学生が欧米への留学を目指すことになります。キャンパスには多くの留学生が目につき、インターナショナルな雰囲気。留学を勧誘するポスターが目につきました。100年以上もの長い歴史があることから、キャンパス内は整然と整理され、美しいキャンパスでした。
図書館
共通の講義棟
講義棟一階に展示されている院士教授の写真(院士教授第一号は、李国豪教授)
学生寮の前の芝生で孫を遊ばせるおじいちゃん、おばあちゃん
男子寮
他のキャンパスとの移動に使うバス
キャンパス内の整備された公園
キャンパス内の水路(両側にはベンチがあり、学生が勉強したり、寛いでいる)
大学は市内の中心地に近い(南京東路から4号線で15分程度の近さ)こともあり、大学周辺の都市再開発が進んでいて、キャンパスは高層のアパートやオフィスビルに囲まれています。地下鉄4号線の同済大学駅を降りてすぐの所に大学の正門があり、正門の道路向かいに2棟の高層ビルが建っています。これは同済大学の土地に大学が建てたビルで、下層階は銀行や、コンビニ、レストランに貸し、それ以外の階は大学に関係のあるベンチャーなどに貸し出しているとのこと。日本の大学と財力が違っています。
大学正門前の同済大学が建設した2棟のビル
大学正門前の整備された道路(道路向かいの建物は大学職員の宿舎)
同済大学では橋の専門家として、李国豪教授が著名です。ドイツに留学して橋梁について勉強し、帰国後同済大学の教授として、中国の多くの橋の設計に携わり、同済大学で最初の中国科学院院士に選ばれています。同済大学の校長を務めたこともあり、その業績を称えて、大学管理棟の近くのポケットパークの中心に先生の胸像が立っていました。
李国豪教授の胸像のあるキャンパス内のポケットパーク
李国豪教授の業績を称えて建設された橋梁館(右の建物)
ミネラル水を電動自転車で配達する
電動でないと動かない?
部屋に置かれているミネラル水のサーバー(赤いレバーを押すと熱湯が出る)
11月は就職シーズン?建設会社の募集の大きな看板がキャンパス内に