鹿児島ー指宿ドライブ

4月6日から8日、友人に誘われて鹿児島に出かけた。鹿児島は何度も訪れているが、今回はJR九州・指宿枕崎線の「指宿のたまて箱」を利用して以来となる。
2008年のNHKの大河ドラマで「篤姫」が放映された時も鹿児島が観光ブームになったが、今年の「西郷どん」で再び鹿児島に大きな注目が集まっている。
6日は、鹿児島の友人と大阪在住の3人が旧交を温める会で、天文館で薩摩料理を肴に、薩摩焼酎「村尾」で懇親を深め、お互い健康でいられることに感謝した。
7日には、中国・内モンゴル自治区で緑化活動を主宰している友人の野崎勉鹿児島大学名誉教授の車で、池田湖、指宿をめぐるドライブに。鹿児島市内から指宿スカイラインは、新緑の季節でまばゆいばかり。この日は、風が強くスカイラインの展望台では、黄砂の影響と雹まで降る生憎の天気で、折角の錦江湾を望む絶景を楽しむことができなかった。
指宿スカイラインを降りて、池田湖に。池田湖から百名山の一つで薩摩富士と呼ばれる標高924mの「開聞岳」が望める。

池田湖から開聞岳を望む

池田湖は直径約3.5km、周囲約15km、ほぼ円形の九州最大のカルデラ湖。深さは233mで「イッシー」で有名になった。「イッシー」の本体は大ウナギではないかと言われている。

神秘的な池田湖

池田湖のマスコット「イッシー」

池田湖の近くメディポリス内にある、リゾートホテル「指宿ベイヒルズHOTEL&SPA」で昼食。旧グリーンピア指宿がリノベーションされたホテル。すぐ横には、鹿児島大学の協力を得て新築した「メディポリス国際陽子線治療センター」。このセンターはホテルとの組み合わせた「リゾート滞在型陽子線がん治療」として全国的に大きな注目を集めている。

「メディポリス国際陽子線治療センター」(左)と「指宿ベイヒルズHOTEL&SPA」
昼食後、指宿市の隣の山川漁港の近くの「道の駅山川港」に立ち寄り、かつおの生節、山川漬、そらまめ羊羹を購入。国道226号線を使って鹿児島市に向け北上。途中、今年、4月2日にNHKの鶴瓶の家族に乾杯で紹介された、篤姫も使ったとされる「今和泉島津家伝来の手水鉢」が置かれている今和泉小学校前を通過して、近くの、道の駅「いぶすき彩花菜館」に立ち寄る。

ここの展望台からは、天気がいいと素晴らしい桜島、錦江湾を望むことができるが、桜島は輪郭がぼんやり見える程度。遠くに、大潮、中潮時の干潮時に砂州が現われ陸地と繋がることで有名な「知林ケ島」を、その右手の陸地側に今和泉小学校前を確認することができた。

中央に見える島が「知林ケ島」

右手の陸地側の建物が今和泉小学校の校舎
道の駅を出て、鹿児島方面に進むと右手にJX喜入石油基地の備蓄タンク群。この備蓄基地で日本の石油消費量と2日分が備蓄されている。

JX喜入石油基地の備蓄タンク群
鹿児島市内に入り、整備された産業道路北上。右手に豪華客船が見え、野崎先生から「マリンポートかごしま」と教えてもらい訪ねることに。停泊していたのは、バハマ船籍のクアンタム・オブ・ザ・シーズ(総トン数16.9万トン)で上海から約4800人の観光客を乗せて4月7日に入航したもの。昨年度、マリンポートかごしまにはクルーズ船が100回を超えて入航したとのことで、観光立県を目指す鹿児島県の熱意を大いに感じた。

「マリンポートかごしま」に停泊中のクアンタム・オブ・ザ・シーズ

「マリンポートかごしま」から望む桜島
夕食は、昨晩に続いて薩摩料理を堪能した。
最終日8日は、天文館からリムジンバスで鹿児島空港に。鹿児島中央駅に向かう道路の中央分離帯に植栽されたツツジが満開で美しい。

満開の分離帯のつつじ

緑化された市電の軌道(鹿児島駅前)
この日は黄砂の影響が少なく、高速道路に入ると右手に桜島が見える。

空港に向かうリムジンバスの車窓から望む桜島
空港にチェックインし、時間があるので屋上展望台に。滑走路越しに、霧島連山が望める。活発な火山活動が続いている、新燃岳から白煙の立つのが見えた。

鹿児島空港屋上展望台から望む霧島連山(右端が高千穂、中央左よりに新燃岳)

タンジアン・ラグーン

2018326日―30日、ベトナム・ハノイとフエに出かけた。目的は、327日にハノイで開催された熊本大学ベトナム同窓会に出席することと、バイク事故で大怪我をした、教え子のフエ科学大学のPham Khac Lieu副教授をお見舞いすることです。

Parkside Sunline Hotelで開催された熊本大学ベトナム同窓会には、ハノイ建設大学のLeu Tho Bach副教授を含む16人の同窓生と、日本ベトナム同窓会から2人の副会長、それと熊本大学から高島和希副学長、グローバル人材教育センター長・鳥居修一教授、人材教育センター・Quitan A. Tibgin教授、福村竜也国際戦略課長、3人の国際戦略課職員、私はゲストとして参加した。今回の同窓生の会合は、正式な熊本大学ベトナム同窓会発足に向けたもので、ベトナム同窓生、熊本大学の両者から、両国間の国際交流に向けて一致協力することが確認され、有意義な会合となった。

同窓会出席者の合同写真

翌日Leu Tho Bach副教授、Tran Hieu Hoa副教授(ハノイ建設大学)と一緒にフエに飛び、Pham Khac Lie先生自宅にお見舞いに伺った。5ヶ月前にバイク事故で左足を複雑骨折し、6時間にも及ぶ大手術を受けたとの話を聞き、驚くばかり。左足はいまだ金属のフレームで固定されている状態で、フレーム取るのにまだ1か月かかるとのこと。幸い足の骨折のみで済み、頭部は無事でこの夏には職場復帰できるとの話で一同一安心。夕食を最近オープンした素敵なレストランでPham君一家と一緒し、楽しい時間を過ごした。

洒落たフエの海鮮レストラン

Pham先生ご一家(右側)との夕食会

29日の午前中に時間ができたので、フエ空港に着陸する際に窓から見えたタンジアン・ラグーン(Tram Giang Lagoon)を観光

このタンジアン・ラグーンはフエ市街から15㎞に位置する東南アジア最大のラグーンで、その面積は52平方キロメートル。ラグーンにはO Lau, Huong 川、Bo川の大きな川が流れこみ、水深は2-4mと浅い。ラグーン周辺には300を超える村があり、30万人が住んでいる。これらの人はラグーンからの恵みで生計を立てている。魚、エビ、貝類、海藻など年間数千トンの水揚げあるとのこと。ラグーンであることから洪水影響を受けやすく、昨年11月の台風23号がもたらした大雨でタンジアン・ラグーンだけでなく、フエ市街も大洪水となり、大きな被害が出た。

フエ市街から車で細い道を走ること30分でラグーンに到着。そこから、観光客相手のボートに乗ってラグーン見学。巨大なラグーンでは、ある範囲を柵で囲み、魚やエビを呼び込む漁法を採用している。10分ほどボートで走ると、ポツンと現れる小さな島のレストランに到着。ラグーンで採れる新鮮な魚介類を楽しむことができる。

観光ボートの発着場

一面柵で覆われた水面。左上のかごは、魚をトラップするかご

干潟の中の小さな島に到着

 

 

 

 

 

島のレストラン、床は竹

レストランのある島の近くで見つけた枯れたホテイアオイ(この干潟が汽水であることを示している)

昼食には早いことから、エビを捕獲する現場を見せてもらう。ボートで柵の中に入り、細い目の網を仕掛ける。その後、水面を棒でたたいたり、ボートをたたくことでエビを驚かせ網にかける漁法。このラグーンは養殖池でないことからエビの密度は低く、残念なことに一匹も捕獲できなかった。

網をセットする

水面を叩きエビを驚かせる

レストランに戻り、新鮮な魚介類を選んで、調理を注文。新鮮なハマグリ、小エビ、オゴノリ(Gracilaria)、カニ、魚、魚のスープを楽しんだ。

小エビの空揚げとハマグリをゆでたもの

ゆでたカニ、卵が多く美味

オゴノリ

日本では、ベトナムで養殖したブラックタイガーが有名だが、これはメコンデルタ、ハロン湾で養殖されている。タムジャン・ラグーン近郊の海岸地域では、近年急速に養殖エビ生産が拡大している。ここで養殖されているのはバナメイという種のエビ。バナメイは病気に強く成長も早く、遊泳生活をすることから養殖密度をブラックタイガーの10倍以上に高めることができるのでバナメイの養殖が人気を集めている。そのため、水田を養殖池に変更し、養殖に必要な海水は、海岸の砂浜の地下4~8mからポンプで汲み上げて調達。今回は時間がなく、バナメイエビの養殖を見学することはできなかった。ブラックタイガーの養殖では環境破壊が問題視されているが、バナメイの養殖がその轍を踏まない事を祈りたい。