冬の高野山

ドイツの友人夫妻の希望に応えて、「高野山」に12月14-15日の1泊2泊で出かけた。このところの寒波で、高野山は雪でした。
台風21号の影響で、南海高野線の高野下駅~極楽橋駅間が不通。難波から橋本まで急行、橋本から代替バスで、標高約1,000mの高野山駅。そこから路線バスで金剛峯寺前。徒歩5分で、宿坊の総持寺に到着。1日目は壇上伽藍と金剛峯寺を見学した。
蓮池を左に見ながら勧学院の前の道を進んで、壇上伽藍に。

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結氷した蓮池(後ろの赤い塔は根本大塔)

壇上伽藍は、弘法大師が高野山を開創した折、真っ先に整備へ着手した場所。屋根に雪を乗せた大会堂が正面に。前夜の降雪と冷え込みに加え、交通事情が悪いことから観光客はまばら。雪を踏みしめながら、見学。ここで一番目に付くのが、真言密教の根本道場におけるシンボルとして建立された高さ48mの「根本大塔」。多宝塔様式としては日本最初のものといわれ、本尊は胎蔵大日如来。

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根本大塔

金堂、2015年に172年ぶりに再建された中門、六角経堂の順に見学。六角経堂は鳥羽法皇の皇后・美福門院が、鳥羽法皇の菩提を弔うため、浄写された一切経を納めるために建立された経蔵。経蔵の基壇に把手がついており、回すことができる。一回りすれば一切経を一通り読誦した功徳が得るといわれている。ドイツの友人と二人で一回りする。

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六角経堂

三鈷松、西塔、山王院の順で見学し、再び根本大塔の横を通り過ぎ、大会堂、東塔を見学して、金剛峯寺前の駐車場に出る。

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大会堂(左)と東塔(右)

お寺の前の横断歩道を渡って金剛峯寺に。
金剛峯寺は、高野山真言宗3,600寺、信徒1,000万人の総本山。

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雪を乗せた金剛峯寺の正門

檜皮葺(ひわだぶき)の主殿の屋根の上には天水桶が置かれている。この桶には雨水を溜めおき、火災が発生したときに、火の粉が飛んで屋根が燃えあがらないように桶の水をまいて湿らし、少しでも類焼を食い止める工夫。

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主殿の屋根の上に天水桶が

寺の小玄関から重要な儀式・法要が執り行われる大広間、梅の間、「秀次自刃(じじん)の間」ともいわれる柳の間、別殿を見学して、国内最大級の日本庭園・蟠龍庭に。

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蟠龍庭

龍を表す石には、弘法大師の生誕地・四国からの花崗岩が、雲海を表す白川砂には京都のものが使われている。その先は、1150年御遠忌大法会の際、参詣者への接待所として新設された169畳の大広間・新別殿に続く。新別殿でお茶とお菓子の接待を受けた。いつもはここで僧侶の法話が行われているが、参拝者が少なく当日は法話はなかった。
金剛峯寺を見学の後、宿坊の「総持院」に。木造の古い建物で、寒さに震えることを覚悟していたが、改装した後とのことで、床暖房、エアコン付きの二間続きの庭園の見える和室の部屋。

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総持院の宿坊の和室

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宿泊した部屋からの庭園の眺め

14日の宿泊者は、我々以外には、3人のシンガポール大学に留学中のトルコ人学生のみであった。

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トルコ人の学生、左端は友人のDr. Sevinc

良く暖房の効いた和室の食堂で、椅子とテーブルを使った懐石料理の夕食は、友人夫妻には好評であった。ちなみに、給仕をしてくれたのは高野山大学の学生さんで、温かいもてなしが印象的でした。
15日は、6時から本堂で勤行がありましたが、部屋の外の余りの寒さ(建物の中で0℃)で断念。9時に宿坊を出て奥の院の見学に出かける。観光案内所近くのバス停から、乗り合いバスで奥の院口まで。ここから一の橋ルート(距離1.9㎞)の参道を使って奥の院に向かう。緩やかな勾配の参道の両側には、樹齢数百年を越える杉木立が延々と続く。その中の立派な杉には番号のついた特別母樹林(優良な種子樹木を保存する目的で農林水産大臣が法律に基づき指定された樹木)の札が付けられていた。

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奥の院に続く参道

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参道沿いの杉の老木

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汗かき地蔵の世話をする老人

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姿見井戸

撮影したり、看板を読んだり、歩くこと一時間半余りで、弘法大師御廟に続く 御廟橋(みみりょうのはし)に到着。

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御廟橋、その先の雪を乗せた燈籠堂

その奥に弘法大師の霊を祀る大師御廟と燈籠堂がある。御廟は大師信仰の中心聖地でここから先は聖域とされ、写真撮影、飲食、喫煙が禁止されている。燈籠堂で二人の僧侶の読経を聞きながらお参りを済ませた後、 御廟橋に戻る。この橋は、冬には水行もおこなわれる聖なる河。その川沿いに、地蔵菩薩や不動明王、観音菩薩が並んで おり、参拝者が水をかけて祈っていました。

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玉川と水行を行う場所(段差の下で)

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水かけ地蔵が並ぶ

帰りは、中の橋ルートをとり、中の橋案内所に。案内所近くのレストランで昼食を取った後、奥の院前から路線バスで高野山駅前に。代替のマイクロバスに乗り換え、橋本駅に。橋本から南海急行で難波に到着し、高野山観光は終了。