今年で16回目となるAdvanced Engineering Technology for Environment and Energy(AETEE)に関する国際ワークショップが、8月26日-28日に韓国・釜山で開催された。今回のワークショップは韓国が当番で、釜山国立大学校のTaeho Lee教授をChairmanとして開催された。日本から大阪大学、北里大学、山梨大学、中国から大連理工大学、山東大学、韓国から釜山国立大学、それにオンラインで今回初めてカナダのMacMaster大学が参加した。
26日に関空で大阪大学(池教授がリーダー)のグループと合流し、Busan Airで釜山空港に到着。釜山空港で成田からの北里大学(清教授がリーダー)、山梨大学(森教授、遠山教授がリーダー)の一行と合流した。釜山国立大学校がチャーターしたバスで、空港から釜山国立大学校とLee教授が所属する土木環境工学教室のラボツアーに向かった。釜山国立大学校は急斜面に立地し、緑に囲まれた歴史あるキャンパス。キャンパス内にはたくさんの百日紅が咲き乱れていた。
坂道のキャンパスを徒歩で移動
釜山大学博物館前で記念撮影
緑豊かな釜山国立大学校のキャンパス(前方左に花をつけた百日紅)
大学の資料館見学した後、土木環境教室の研究室を見学した。次にキャンパス内をバスで案内してもらい、最後に釜山大学博物館を訪ねたが、残念ながら時間外で中を見ることは出来なかった。宿泊は、海雲台近くのShilla stay Haeundae。韓国でも猛暑が続いていて、まだ海水浴客が多かった。
27日がワークショップ。Shilla stay Haeundae3階のBallroomで8:30―11:45、13:30-18:30で5つのセッションで学生の研究発表が行われた。開会式では、Lee教授の開会の挨拶の後、このワークショップの創設者として古川熊本大学名誉教授、金釜山国立大学校名誉教授(オンラインで参加)、大連理工大学の全教授、大阪大学の池教授、初参加のカナダのMacMaster大学のYounggy Kim教授(オンラインで参加)からのショートスピーチがあった。
Lee教授の開会の挨拶
古川のスピーチ
全教授(大連理工大学)のスピーチ
池教授(大阪大学)のスピーチ
フロリダ在住のこのワークショップの共同創設者である金名誉教授のスピーチ
オンラインでのMacMaster大学のYounggy Kim教授のスピーチ
Session 1ではValue-added Material Productionに関し6件の発表、Session 2ではAnammox and Nutrient Removal に関し6件の発表、Session 3ではWastewater treatment and Environmental Engineeringに関し6件の発表、Session 4ではAntibiotic Resistance and Hazardous Material Removalに関し6件の発表、Session 5ではPlant, Microalgae and Microbesに関し6件の発表があった。
ワークショップ終了後、全体写真を撮った。
学生による研究発表
参加者全員での記念写真
その後、優秀発表者を座長と組織委員会のメンバーで決定した。
ワークショップ後のバンケットは、ホテルから海雲台海水浴場沿いの道を15分歩いて、最近建設された100階建てのBusanX the Skyの99階のSky 99で開催された。
前方右のビル・100階建てのBusanX the Skyに海雲台海水浴場沿いの道を徒歩で移動
夕刻の海雲台海水浴場
100階の展望階からの眺め(海雲台海水浴場と広安大橋)
バンケットで大連理工大学の全教授(右)と喬教授(後ろ)
バンケットで大連理工大学の学生(徐教授の研究室の学生)と
最終日は、視察ツアー。9時にバスでツアーに出かける。バスで1時間近くかけて、釜山空港近くの洛東江(ラクトンガン)河口の乙淑島(ウルスクト)にあるエコセンターに到着。洛東江は韓国の最長河川(全長525㎞)で、大白山脈に端を発し、朝鮮半島東部を南北に流れている。このエコセンターは釜山市が運営している。この島は多くの渡り鳥が飛来することで知られ、バードウオッチのメッカとなっている。生態系が保全され、多種多様な植物、魚、鳥類、哺乳動物が生息していることいで知られ、環境学習の場として活用されている。
洛東江の流域図(右上の丸印が水源)
エコセンターの展望室からバードウォッチング
エコセンターでの記念写真
その後、K-waterが管理・運営している洛東江河口堤防の見学に。この近くまで干潮域で、堰を設けることで海水の侵入を防ぎ農業用水を確保している。堰による生態系の分断を避けるために、堰上流での塩分濃度をモニターしながら堰の開閉を行っている。この堰の上流15㎞に釜山市の水道水源があるとのことで、河口堰上流の水質に大きな関心が集まっているとのことであった。
洛東江河口堤防事務所の歓迎看板
洛東江河口堤防と水門ゲート塔
洛東江河口堤防事務所の展望デッキから洛東江を望む
洛東江河口堤防を見学後、Lee先生の案内で洛東江河口の漁村(鳴旨)に向かい、地元で有名なアオヤギのシャブシャブの昼食をとった。
鳴旨(ミョンジ)での昼食(アオヤギのシャブシャブ)
28日の夕食はFarewell Party で、海雲台海水浴場に面したビルの地下にある、The Pary Premium Haeundae-guブッフェスタイルで行われた。韓国料理を始め、寿司、天ぷらの日本食、イタリア料理を楽しんた。このFarewell Partyで、優秀発表者7人の表彰が行われた。
次回の当番は中国。これまで大連理工だ学、山東大学での開催はあるが、次回はのワークショップの更なる発展を祈念して私と個人的に交流のある、東北大学か北京工業大学に開催をお願いすることで先生方の合意を得た。
優秀発表者とLee教授
29日、ホテルを7時半に出て、阪大グループと合流しジャンボタクシーで空港に向かった。ラッシュ時で余裕を持ってホテルを出たが、プロの運転で1時間で空港に。台風10号の影響か、機材遅れで出発が1時間延びて、4時間も出発ロビーで待つこととなったが、無事帰国することができた。