アシアナ航空OZ111便の関西国際空港からの出発時間が2時間近く早まったことで、インチョンから水原に向かう途中に、始華(シファホ)潮力発電所(韓国水資源公社:K-Waterが運営)と近年リゾートアイランドとして人気の高まっている大阜島に立ち寄った。以前、安山市の海岸から人工湖の始華湖を見た時(2013年9月1日のみずめがねに掲載)建設中の始華潮力発電所の紹介をしたが、今回は稼働中の発電所を見ることができた。2013年12月に運転の始まった始華潮力発電所は、現在一般に公開されている。
発電所横の公園(仁川湾を望む)
展望タワー
展望台にある喫茶店で眺めを楽しむ
発電所横に整備された公園の駐車場に車を停め、発電所を見渡せる展望タワーに。展望台までのエレベータは無料。天候に恵まれたこともあり展望台から始華潮力発電所の全容を望むことができた。始華潮力発電所では、満潮時に仁川湾から始華潮に海水を導入し発電を行う、漲潮式で一日2回発電を行っている。運よく発電を行っていて、海水が始華潮に流れ込む様子を写真にとることができた。この発電所には出力が25.4MWの発電タービンが10機備えられていて、一日9時間の運転で552GWh(50万世帯が使う電力に相当する)の発電を行っている。
潮汐発電所の外観
満ち潮時に、左側の仁川湾から始華湖流れる潮のエネルギーで発電
引き潮時には、始華湖から仁川湾に海水が流れる
展望台からの発電所を望む。全長12.7㎞の堤防で仕切られた始華湖
潮が仁川湾から始華湖に流れて発電している
潮の流れの状況
潮力発電は、他の風力や太陽熱発電に比べて、潮汐現象を利用していることから安定した電力供給を行うことができる利点があるが、貝の付着、機器の塩害対策に問題があり、耐用年数が短いといった欠点が問題視されている。三方海に囲まれている韓国では、海洋エネルギー発電に関心が高い。特に西海岸は、水深が浅いことから大きな干満差が出ることから大規模な潮力発電所が計画されている。このような現状から、韓国最初となる始華潮力発電所の稼働実績と運転経験が大いに注目されている。
始華潮力発電所を見学の後、大阜島を訪れた。始華防潮堤ができるまでは、本土と繋がっていなかったために、現在でも島独特の雰囲気と自然が残っている。海産物(干潟生物、海苔)の他ブドウ、ワイン、みかん等の果物の生産が有名で、週末にはソウル、水原から多くの観光客が大阜島を訪れるとのこと。海を見渡せる海鮮レストランで少し早めの夕食を取ることに。ボラの刺身、岩塩の上に車エビを乗せて下から塩をランプで熱する料理、蛤やイカめし、サムゲタンの蒸し焼きにした料理がメインで、海の幸を堪能した。
刺身盛り合わせ(一番下がボラの刺身)
蒸し料理(左上にはサムゲタン、蛤、たこ、イカめし他)