天神祭

1000年余の長い歴史を持つ、日本三大祭りの一つ天神祭りが、7月24日、25日に行われました。この春に引越しした自宅の町内で開催されたこともあり、2日間天神祭りを満喫しました。以下が、私の2日間の行動記録です。

24日の午後2時、天神橋2丁目の商店街を散策しました。商店街の商店の前に屋台が立つとともに、神輿が練り歩き商店街は祭り気分一色。


天神橋2丁目の入り口のアーケードに飾られている神様を迎える御迎え人形


商店前に臨時に設けられた屋台


天神橋2丁目商店街を練り歩く神輿

午後3時、天満宮の境内に入りました。境内では催太鼓(もよおしだいこ)巡行の準備中でしたが、地車囃子(だんじりばやし)が響き渡り、お囃子に合わせて踊る「龍おどり」が演じられ、多くの見物客でごった返していました。

催太鼓(もよおしだいこ)巡行の準備中の境内


天満宮の裏口にある「天満天神・繁盛亭」の軒先にはミストシャワーが

OAPのロビーではお迎え人形が飾っていました。展示されている御迎え人形の横に、昔の天神祭の様子の書かれた絵を見つけましたが、それには現在よりもはるかに多い御迎え船が描かれていました。

OAPに展示されていた御迎え人形「鎮西八郎」


昔の天神祭の様子を描いた絵

OAP裏の大川沿いのテラス前では薪能が行われていて、かぶりつきで川風に吹かれながら楽しむことができました。最後に演じられた「石橋(しゃっきょう)」には感動しました。赤獅子、白獅子の舞だけでなく、太鼓、笛、お囃子も迫力満点でした。銀橋沿いには奉納花火の前日から屋台が立ち、多くの若者家族連れで賑わっていました。

大川沿いの屋台の賑わい

 

薪能「石橋」

25日の午前中には陸渡御が行われ、催太鼓を先頭に大阪天満宮から天神橋北詰の船乗り場まで進むとのことですが、今年は所用でこれを見ることはできませんでした。来年の楽しみに取っておきます。午後5時に地下鉄南森町駅に着き、駅から自宅まで歩いて帰りましたが、大川沿いで上がる奉納花火の観客で道が混雑し始めていました。18:30から、大川をまたぐ桜ノ宮橋(通称、銀橋)が通行止めとなり、車道にも人が溢れます。19:30から21:00まで4,000発の花火が銀橋を挟んで2箇所から上がりました。我が家のリビングルームから、造幣局前川崎公園から挙げられる仕掛け花火を楽しむことができました。
残念ながら、帝国ホテルの対岸からの打ち上げ花火は隣の高層住宅が障害となり、花火の半分しか見えませんでした。しかし、人混みに揉まれることなく、大阪城をバックに沢山の美しい花火を息子、娘家族と楽しむことができました。

花火の鑑賞地点に向かう人々

 

奉納花火

中国全国運動会の開催迫る

7月16日から20日に中国・瀋陽に研究指導に出かけていました。中華人民共和国全国運動会(全運会)の開催を間近に控えた瀋陽の様子です。

日本の国体に相当する中国最大のスポーツ祭典である全運会の第1回大会は1959年、北京市で開催されました。1993年の第7回大会以降は、4年に1度の頻度で全運会が開催されています。今年(2013年)、遼寧省の省都・瀋陽市を拠点に遼寧省で第12回の全運会が8月31日から9月12日にかけて開催される予定です。このほど第12回全運会の主競技場となる瀋陽オリンピックセンターの改造工事が完了しました。


改装された瀋陽オリンピックセンター

瀋陽オリンピックセンター道路向かいで進む都市開発
この全運会の開催に合わせて、瀋陽市では都市インフラの整備が急ピッチで進められています。空の玄関口である瀋陽桃仙空港では新しい第3ターミナルの全容が姿を現しました。


完成間近の瀋陽桃仙空港・第3ターミナル
現状からすると、駐車場や内装工事がまだで、8月31日までの完全開業はかなり難しいと思われます。瀋陽桃仙空港から市内までは30kmと離れています。空港まで地下鉄2号線を延伸する予定だったのですが、工事は進んでなく現状では市内までは車を使うしかありません。
今回の全運会のため、空港と瀋陽オリンピックセンターを結ぶ路線電車が整備されていますが、やっと試運転が終わった状態で、これも全運会に間に合うのか疑問です?


開通を間近にした空港近くの路線電車の線路建設現場
空港と市内は高速道路で繋がっていて、市内までの距離は約30kmです。この高速道路は片側4車線と広くてよく整備されていて素晴らしい走り心地。これに加えて、中央分離帯の緑化、花による美化工事がほぼ完了し、訪れた観光客が空港から市内への道すがら、瀋陽に関していい第一印象を持つことは間違いありません。


空港から市内を結ぶ高速道路(有料)


良く整備された高速道路の中央分離帯
渾河を渡り市内に入ると急に車が増え、渋滞になります。


市内の朝の渋滞状況
これまで以上に交通取り締まりの警察官の数が増え、交通マナーの向上を図っています。


主要な交差点での女性警察官による交通整理
中国では、横断歩道でないところでの歩行者が道路を横断し、交通事故の大きな原因となっています。瀋陽では全運会を控え、主要な道路に歩行者が横断できないように道路の中央にバリアーが置かれるようになりました。ベトナムではこのバリアーがコンクリート製ですが、瀋陽では道路景観を壊さない、低いフェンスになっています。フェンスは跨ごうと思えば跨げる高さですが、整然とフェンスが並べられていると交通ルールを無視してこれを超える歩行者は激減するものと思います。歩道にも季節の花が植わったプランターが並べられ、少しでも街を美しく見せようとする努力が見られます。


分離帯、横断禁止を兼ねたフェンス


歩道と車道のあいだに並べられて花の植わったプランター
市内の建設ラッシュは未だに続いていますが、建設のスピードが遅れていて、多くの高層ビル、ショッピングセンターが建設途中で全運会を迎えることになります。


市内で進む高層ビルの建設ラッシュ


全運会を控え、フェンスが取れた市役所前広場
前回も瀋陽市内を流れる新開川沿いの遊歩道を紹介しましたが、これが最近再整備されました。遊歩道沿いの高い樹木で木陰ができ、多くの老人の憩いの場となっています。卓球台が木陰の中に2台設置され老夫婦が卓球を楽しんでいました。


新開川の近況


新開川沿いの遊歩道


新開川沿いの公園内に設けられたコンクリート製の卓球台

街角で設置されている新しいゴミ箱(中央部に垂直に設けされた吸殻入れに注目)
巨大都市瀋陽市の都市開発は目を見張るものがあります。中国では住宅バブルが問題となっていますが、瀋陽市も状況は同じです。これが途中で頓挫すると、その影響は世界に及び、世界経済が大混乱に陥ることは火を見るよりも明らかです。ソフトランデイングを願うばかりです。

「ゆいレール」からの車窓

梅雨の終わった沖縄に出かけてきました。
生憎台風の影響で風が強かったものの、それほどの暑さでなく久しぶりの那覇を楽しんできました。那覇市の発展は目を見張るものがあり、2003年に完成したモノレール、2012年に竣工した那覇市役所が印象的でした。
帰りは、県庁前から那覇空港までモノレール(愛称:ゆいレール)を使い高い視点からモノレール沿いの車窓を楽しみました。

以下が、宿泊した県庁前のホテルから那覇空港までに撮った写真です。
1990年に竣工した沖縄県庁(写真1)から、ゆいレールの県庁前駅までは徒歩数分です。

写真1 沖縄県庁(黒川紀章設計)

エスカレータ(写真2)で県庁前駅まで登り、切符を買って(那覇空港まで260円)ホームまで再びエスカレータを使います。

写真2 県庁前駅改札に繋がるエスカレータ

県庁前駅から旭橋方面を撮ったのが写真3です。

写真3 県庁前駅のホームから旭橋駅方面を望む

干潮河川の中にモノレールの橋脚が建てられています。駅員さんのユニホームは、かりゆし。(写真4)さすが沖縄です。

写真4 県庁前駅のホームとかりゆしを着た駅員

モノレールの車窓から見た旭橋(写真5)です。

写真5 モノレール車窓からの旭橋

旭橋駅から壷川駅、奥武山公園駅まで、「ふるさとの川整備事業」で良好な水辺空間の形成が図られた国場川をモノレールは進みます。(写真6-8)

写真6 壷川駅から見た奥武山公園

写真7 国場川河口を望む

写真8 奥武山野球場
奥武山野球場では、多くの観客を集め高校野球の沖縄予選が行われていました。
那覇空港(写真9)は、夏の行楽シーズンを迎え多くの観光客で賑わっていました。

写真9 那覇空港ターミナル3階からの眺め

沖縄のこれから目指すべきは、 米軍基地から脱却した観光立県です。国内外の観光客が何度も訪れたいと思う、恵まれた自然環境を生かした魅力ある街づくりを進めて欲しいと願うばかりです。

ハノイの交通インフラ整備に関する最新事情

ハノイを1年ぶりに訪問しました。
以下が、今回のハノイ訪問で見てきた交通インフラ整備に関する最新事情です。

ハノイでは交通インフラの整備が急ピッチで進んでいます。
ハノイ都市圏の交通渋滞緩和、ハノイ市からノイバイ空港、ハイフォン港及び工業団地等へのアクセス向上を図るため、ベトナム政府は環状道路(1~3号線)を整備中です。ノイバイ空港では2015年の供用開始を目指し、新しい国際空港第二旅客ターミナルビル建設事業の建設が日本の円借款で進んでいます。空港から市内までの高速道路も立体交差の工事や、横断道路の交通規制などが進み、随分と走り易くなりました。紅河を渡ると以前は交通渋滞で市内の中心部のホテルまで行くのに時間がかかりましたが、環状の高架橋道路が完成し便利になりました。
この高架橋道路から、高さ350メートル・72階建てのオフィスタワー「ランドマーク72」(延床面積は約61万m2で、ビル1棟での延床面積の大きさでは世界でも有数)が目の前に飛び込んできました。(写真1)

写真1  運転席からランドマーク21を望む
72階建てのランドマーク72は、延床面積は約61万平方メートル、ビル1棟での延床面積の大きさでは世界有数だそうです。ビルの62階から71階にはインターコンチネンタルホテルが入っています。このビルの開発・建設・運営にあたっているのは、韓国の建設会社・京南企業とのことですが、既に韓国では住宅バブルで多くの建設会社が倒産の危機にあることを考えると、デウーホテルと同じような道をたどるのではないかと懸念しています。私としては、いくらハノイでのオフィッス、ホテル、住宅事情が悪いからといって、このようなコストをかけた高層ビルが必要なのか疑問です。。
今回旧市街の古いホテルに宿泊しましたが、ホテルの部屋から建設中の建設中の大規模ビルが望めました。以前の建設現場では、竹の足場が使われ、高さも精々10階建てのビルであることを思うと隔世の感があります。(写真2)

写真2 ハノイ中心地に建設中の高層ビル群
ここ数年、ハノイでは車の数が急速に増えています。これまで、車と単車が同じレーンを走っていたため、交通渋滞だけではなく、車と単車との交通事故の原因となっていました。これらの問題を解決する意味もあり、昨今主要道路では、単車と車のレーンが分けられるようになってきました。(写真 3)

写真3 車と単車の分離帯ブロック

ちなみに、ハノイ市内でのガソリンの値段は一リットル1.2ドルで、日本よりは安いですが、給料や物価を考えると非常に高い値段です。車も日本での値段とあまり変わらず、駐車場代を考えると、給料の半分が車に消えるそうです。このような状態で、車を持つ市民の数がどんどん増えていることも私には不思議でたまりません。
今回、地下水の浄化のプロジェクトでは高速道路を使ってハノイから40km離れたハナム省に出かけました。この高速道路、以前は有料道路だったのですが、何故か料金所が閉鎖され、無料でした。車の運転をしたカンターパートの先生の話では、その分、車の税金が高くなっているとの説明でした。(写真 4)

写真4  ハナム省でのインターチェンジ

市内を車で走っている時に、モノレールの建設現場に出くわしました。
ハノイ市の交通インフラ整備計画では、フランス、中国、日本等、いくつかの国のODAを利用してモノレールを整備を進めています。試験的に第一路線を整備して2016年より運行を開始し、その次に第2路線も実行に移す計画とのこと。出くわしたのはこの第一路線で、中国のODAを使っているとのことでした。問題はこの路線がハノイの中心地に繋がっていないことで、終点から市の中心部のどのように公共交通機関を整備するかが大きな課題として残されているそうです。(写真 5、6)

写真 5 建設中のモノレール

写真 6 モノレールと高架橋道路との立体交差の現場

以上、ハノイ市の交通インフラ整備の最新事情を紹介しました。将来の経済発展を見越しての交通インフラ整備ですが、しっかりとしたマスタープランに基づいた地に足の着いた整備となることを祈っています。

大阪ビジネスパークと大阪城公園をサイクリング

6月23日大阪ビジネスパーク(OBP)と大阪城を自転車で散策しました。
OBPに出かけるのは、10年ほど前にスイスの友人を大阪城に案内した時に昼食に立ち寄って以来です。
自宅から太閤園前を通って大阪城北詰の寝屋川を渡りました。橋からクリスタルタワーと大阪城が見渡せます。(写真1)

写真1 クリスタルタワーの右下に大阪城
クリスタルタワーを右手に見ながら左折し、松下IMPビル(写真2)とツイン21ビル(写真3)との間の道を進み、城見1の交差点を右折すると、大阪城新橋(太鼓橋)に突き当ります。(写真4)

写真2 松下IMPビル(右の建物)の遊歩道

写真3 ツイン21ビル

写真4 大阪城新橋
大阪城新橋から、大阪城ホールが右手に(写真5)、左手に川の駅・大阪城港が望めます。大阪城港には、水上バスが2隻停泊中でした。(写真6)乗船を促すアナウンスが流れていて、10時の船は予約なくても乗船できるが、次の便からは満席で乗船できませんとの案内で、最近の水上バスを使った水都めぐりの人気ぶりが伺えます。

写真5 大阪城ホール

写真6 乗客を待つ水上バス

大阪城を取り巻く道路は現在、大阪城を見ながら1周が3.6kmのジョギングコースとして人気で、日曜日ということもあり多くのランナーで賑わっていました。
反時計回りに大阪城周回道路を大阪城を左手に見ながらゆっくりとサイクリング。(写真7ー写真11)

写真7 北外濠

写真8 北外濠から府庁、大阪府警、NHK大阪放送会館を望む

写真9 北外濠からOBPのビル群を望む

写真10 西外濠から大阪城を望む

写真11 大手門入り口

右手には、大阪府庁、大阪府警、NHK大阪放送会館、大阪歴史博物館が立ち並びます。府庁は改築されなくて昔のままですが、2007年に完成した黒川紀章のデザインとなる大阪府警本部の建物は警察の建物とは思われないと奇抜なデザインですが、何故か大阪城とマッチしています。(写真12)

写真12 右から大阪府警、NHK大阪放送会館、大阪歴史博物館
NHK大阪放送会館は、難波宮跡に大阪市の大阪歴史博物館と共同で建設した複合施設で、2001年4月竣工しています。難波宮跡の保存と活用を図りながら、NHKの放送機能と大阪歴史博物館の機能を整備したもので、大阪の過去と未来を結ぶシンボリックな建物になっています。2003年第23回大阪まちなみ賞大阪市長賞を受賞しています。(写真13)

写真13 右の建物がNHK大阪放送会館、手前の建物が大阪歴史博物館

以上、自宅からゆっくりと大阪ビジネスパーク(OBP)と大阪城を散策する約1時間のサイクリングでした。