瀋陽の大気汚染

1月15日から19日、中国・遼寧省の省都・瀋陽に出かけました。瀋陽は60年ぶりの寒さということで連日、最低気温がマイナス25℃、最高気温がマイナス10℃の日が続きました。これまで何度となく、冬に瀋陽を訪問していますが、このような寒さは初めての経験です。

部屋の中は集中暖房されていて、20-25℃で快適ですが、一度外に出ると身を切る寒さ。降った雪は融けず、歩道の一部では氷となり滑りやすくなっています。車道は、融雪剤を散布しているので凍らないので、信じられないことですが車は殆ど夏用のタイヤで走っています。
中国では冬の暖房は石炭を主とする化石燃料に依存していますが、その燃焼プラントでの排ガス処理が不十分で冬場の大気汚染の主因となっています。これに加えて、公共交通機関が日本のように発達してなく、多くの車が走っています。しかもこの車の排ガス対策が不十分で、大気汚染に拍車をかけています。
これに今年の異常な寒さが加わり、厳しい放射冷却で大気殆ど移動せず、スモッグが地表に滞留し、晴れというのに視界が数百メートルしかないどんよりとした状態となります。(写真ー1 )

写真ー1 ホテルからの眺め(視界数百メートル
新聞報道では、北京市でのAQI値が500を越えたとのことですが、17日の瀋陽もこれと同じような大気汚染でした。
新聞報道では、北京市では58箇所の工場を完全停止した他、41箇所の工場に有害廃棄物の排出量の削減を義務付け、大気汚染のひどい日には市内を通行できる車の数を制限することを発表しています。(日経1月22日朝刊)瀋陽でも同じような対策を発動するそうです。

新宿中央公園の紅葉

新宿中央公園の見事な紅葉写真がとれましたので紹介します。

都庁の隣に位置する緑豊かな新宿区立の「新宿中央公園」は新宿駅から徒歩10分、大江戸線の都庁前からは数分と利便性に優れています。区立の公園としては最大の面積だそうで、年間を通じて都会のオアシスとして多くの利用者に親しまれています。朝早くにはラジオ体操を楽しむグループが、日中は愛犬と散歩をしたり、ウオ―キングを楽しむ市民が絶えることがありません。公園の中心には人工の滝をバックに広いオープンスペースがあり、土曜日にはフリーマケットが開催され多くの人で賑わいます。この公園には、イチョウ、コナラ、ケヤキ、サクラ等が植えられていて、秋には素晴らしい紅葉を楽しむことができます。今回宿泊したホテルの部屋が21階であったことから新宿中央公園の紅葉を俯瞰することができました。

人工の滝周辺の紅葉

ライトアップされた新宿中央公園
朝、快晴で遠くに雪化粧した富士山を望むことができました。

新宿から雪化粧した富士山を望む

ズームで捉えた富士山
これとは別に、先日、紅葉したイチョウが余りにも綺麗だったとので、本町から淀屋橋を経て梅田まで歩きました。大阪市庁舎前の淀屋橋から眺める大川沿いの紅葉が水面に映って綺麗でした。

淀屋橋から望む大川沿いの 紅葉

鹿児島市電の軌道敷緑化

平成16年3月の九州新幹線一部開業時に、鹿児島中央駅前広場内へ引き込んだ市電軌道敷140mが芝生により試験的に緑化されました。軌道敷の表面温度が芝生面では舗装面に比べて低く抑えられることや、市民からの芝生軌道化について好評を得たことから、鹿児島市は中心市街地の軌道敷を緑化する事業を実施しています。
鹿児島中央駅前電停~鹿児島駅電停までの延長約2,800mの区間のうち、主要交差点部等を除いた延長約1,900mについて、軌道敷全面の芝生による緑化工事が行われ、平成20年3月に我が国で初めてとなる本格的な市電の芝生軌道が完成しました。
この成功を受け、熊本市でも市電の軌道緑化が実施されている。すでに熊本市の市電の軌道緑化については、熊本駅前の市電乗り場付近の軌道緑化の状況を水めがねにアップしているのでご覧ください。
この軌道緑化には、保水性と断熱性、及び耐圧機能に特徴のある「シラス緑化基盤」と地元客土に土壌改良材を数種類ブレンドした客土を利用する緑化システムが採用されています。
芝生には冬でも緑を持続しやすい「改良コウライシバ種」が採用されているそうです。
今回訪れたのが11月中旬にも拘わらず、芝は軌道敷内で元気に生育し、駅前広場に潤いと安らぎの都市空間が創出されていました。

写真 鹿児島中央駅前の市電乗り場付近の軌道敷緑化の状況

写真 西鉄ソラリアホテルの部屋からの鹿児島中央駅前の市電乗り場を望む

写真 鹿児島中央駅から高見橋に向かっての軌道敷

写真 鹿児島中央駅、アミュプラザ鹿児島を望む

写真 鹿児島中央駅前の広場

 

 

甲突川の河川整備

教え子の結婚披露宴に招かれ”みずほ”を使って鹿児島市に行ってきました。

披露宴が正午からだったので、朝の散歩を兼ねて甲突川の散策に出かけました。

鹿児島市の中心部を流れる甲突川にかつて架かっていた石橋群(上流から玉江橋、新上橋、西田橋、高麗橋、武之橋)は甲突川五石橋と呼ばれています。これらの石橋は、江戸時代末期に肥後の石工岩永三五郎を招いて造られたもので、以来現役として使われてきましたが、1993年(平成5年)8月6日の集中豪雨で新上橋と武之橋の2橋が流出してしまいました。残った3橋は2000年(平成12年)に開園した石橋記念公園に移設保存されています。

写真 高麗橋のすぐ上流にかけられている木造の南州橋(対岸に見えるのは維新ふるさと館)

写真 甲突川右岸のウッドデッキの遊歩道(先に見えるのは高麗橋)

写真 護岸の状況(階段を下りると水面に近い遊歩道に、風車も回っていました)


写真 新設された高麗橋

現在河川の両岸にはよく整備された桜並木の遊歩道があり、多くの市民の憩いの場となっています。川ぞいの街は、西郷や大久保など、鹿児島の生んだ明治の大先人たちゆかりの場所で、徒歩で訪ねることができます。鹿児島中央駅近くで、1時間程度で回れます。

写真 甲突川左岸の 「維新ふるさとの道」の入り口

写真 市民の憩いの場として人気スポットの遊歩道 の状況

写真 甲突川をまたぐ高見橋の東詰に建てられた大久保利通の銅像

 

 

酸菜

10月30日から11月3日にかけて中国・瀋陽に出かけていました。
瀋陽ではすでに冬が始まっていて、滞在中最低気温が-5度、最高気温+5度の日が続きました。尖閣列島問題で瀋陽での治安を心配しましたが、全く問題はありませんでした。ただし、関西空港―瀋陽便は週6便から2便に大幅に減便され、不便になりました。日本車で走っていて襲われるといったことが報道されただけに少々心配しましたが、これまで同様に街中では多くの日本車が走っていましたし、日本レストランも正常に営業されていました。ただ1件、街中に駐車しているホンダの車で、フロントグリルのエンブレムのHのマークが赤い中国国旗のシールで隠されているのを見かけました。

写真 中国国旗のシールで日本車のエンブレムを覆う

今回の瀋陽滞在では、中国東北地方の名物である“酸菜”を沢山頂きました。
酸菜(さんさい)は、白菜を晩秋に塩漬けして一ヶ月程度自然発酵させて、冬季におもに鍋料理の材料として用いる漬物です。ドイツのザウアークラウトに似ています。一般的には、酸菜と豚肉を煮込んで(香辛料としてサンショ等を加えます)食べます。山菜の酸味と豚肉とよく合い、冬の鍋料理として最高です。

写真 暖かくて美味しい酸菜料理

写真 酸菜入の餃子
写真はレストラン前に積まれた酸菜作りに使う白菜。個人の住宅の前におかれた天日干しされた白菜です。(ちなみに白菜は1個10元程度と安いそうです)

写真 レストラン前に積まれた白菜


写真 住宅前に干された白菜と大根

阪急百貨店の内覧会に整然と並ぶ買い物客の流れ

10月24日(火)の10時半に待ち合わせ場所のヒルトンホテルに向かう途中、阪急梅田駅から阪急百貨店前を通りかかった時、拡声器の音と、多くのカードマン、その向こうには多くの人の列が私の目に飛び込んできました。偶然にも阪急百貨店の先行開店(内覧会)に出くわしました。阪急百貨店が2期棟先行オープン10月25日に先駆けてお得意さまに限ってオープンしたもので、開店を9時40分に繰り上げたにもかかわわらず、10時半でも入店までに招待状を持っていても30分待ちとのこと。整然と並んで行進している様子は圧巻でした。

写真1 コンコース前のデパートの入り口

写真2 ガードマンによる入場整理(30分待ちのプラカード)

 
阪急百貨店本店の建て替えは、2005年の秋に始まり、建物の半分を取り壊し、残りの半分のスペースで営業を続けながら2期に分けて行われ、今回2期工事が終了し11月21日のグランドオープンを前に仮オープンされました。地下2階、地上13 階、売り場面積80,000m2で日本でも屈指の売り場面積になります。これまでの百貨店のイメージを一新するコンセプトで、百貨店から生活情報を発信することを目指し、9階から12階にかけて、高さ16m、広さ10,000m2ものイベント広場「祝祭広場」、ファッションショー等を催す「阪急うめだホール」、「阪急うめだギャラリー」等が設けられ、これらの総面積は売り場面積の2割16,000m2にも達するとのことです。屋上にも1,000m2の屋上広場も設けられるとのことで、是非とも一段落したらゆっくりと見学したいと楽しみにしています。

写真4 祝祭広場

丹波市氷上町水分れ

本州の背骨にあたる中央分水界の中で、日本で一番低い分水界として有名な丹波市氷上町石生に位置する水分かれを見学に行ってきました。

写真1 水分れの側にある公園の看板

水分かれの位置は石垣で囲まれた水路(写真2)にあり、ここに降った雨は、二方に分かれます。一方は瀬戸内海に、もう一方は日本海側に流れるとのことです。ここが分水嶺かと思うほど、低い位置にあります。

写真2 水分かれの場所(ここで水は2方向に分かれる)

この水分かれの周辺が水と親しみ、水に考える親水公園として整備されています。分水界を象徴する人工の滝(写真3)や水分かれの池などが整備され、当日は、小学生が遠足に訪れていました。

写真3 分水界を象徴する人工の滝

同じ氷上町清住にある巨大なコスモス畑にも立ち寄ってきました。

写真4 コスモス園の看板

このコスモス畑は、氷上町清住にある達身寺周辺の7ha(甲子園球場の1.8倍)の休耕田を利用して作られています。色鮮やかな様々な種類のコスモスが開花していて、10月始めからのコスモス祭りが行われていました。熊本県阿蘇の西原村の萌の里周辺のコスモス畑や、阿蘇高森のコスモス畑はこれまで何度も訪れたことがありましたが、氷上町のコスモス畑は広さ、種類の多さから、私がこれまでに見たコスモス畑の中では一番立派なものでした。

写真5 奥から赤、白、ピンクのコスモス

写真6 どこまでも続くコスモス畑

インチョン(仁川)大橋記念館

インチョンからSuwon市には、インチョン大橋が便利でいつも使っています。インチョン空港方面に向かってインチョン大橋を渡りきった所にある、「仁川大橋記念館」を見学していました。「仁川大橋記念館」では、大橋の建設の状況が映像、模型、パネルで説明されていました。
この仁川大橋の建設には、52ヶ月(2005年7月から2009年10月)を要し、総事業費が約1,700億円でとのことでした。仁川大橋は外国企業と純民間投資会社の主管による民間投資事業で、民間投資費用は民間運営会社が橋の使用者から徴収する通行料で回収される予定です。現状では通行量も少なく、予定した通行料金が回収できないことから、政府が不足分は補填しているとのことです。経営は厳しいのではないでしょうか?

インチョン空港を繋ぐ二つの大橋(下が仁川大橋)

仁川大橋記念館入り口

ライトアップされた仁川大橋

3階の展望デッキから仁川大橋を望む(手前は広大な干潟が広がる)

 

 

 

 

 

 

韓国の焼酎爆弾酒

韓国では、焼酎をビールで割り、それを一気飲みします。この焼酎のビール割を「焼酎爆弾酒」と呼んでいます。韓国では、米と麦から作った甲類焼酎のJIROが有名です。韓国のビール市場はHITEが半分以上を占めています。2006年に経営危機に陥ったJINROをHITEが買収したことから、殆どの飲食店に置かれているは、JIROとHITEです。JINROのHITE割が「焼酎爆弾酒」ということになります。思いの他、この「焼酎爆弾酒」は飲み易く、それを一気飲みするものですから、酔が一気に回り足を取られることになります。韓国で「焼酎爆弾酒」を勧められた時には十分注意してください。
先日、Suwon市のレストランで写真に写した「焼酎爆弾酒」調製用のグラスを見つけました。(特許製品とのことです)まず、作りたい「焼酎爆弾酒」のアルコール度を決め、そのメモリまで焼酎を入れ、次いでビールを上の線まで注ぐと完成です。こんなグラスが店にあるぐらい「焼酎爆弾酒」は韓国では市民権を得ています。

「焼酎爆弾酒」調製用のグラス

 

 

 

北京市高碑店下水処理場

日本の円借款で建設された北京市朝陽区高碑店郷の境内にある北京市最大の高碑店下水処理場(現在その処理能力は1日100万トン)を久しぶりに見学していきました。

(今回が3日目の見学となります)

最初沈殿池と建設中のホテル

 

最初の見学時には、折角建設した曝気槽の1系列が電力不足で稼働していない状況でしたが、現在では中国の経済事情を反映して、大幅に処理能力を高め、順調に稼働しています。北京市で発生する下水量は250万トンで、その約半分をこの高碑店下水処理場が処理しているとのことです。

(下水処理率は北京では90%以上に達しています)

この処理場の維持管理は、北京排水集団が当たっていて、AO法で運転され、曝気槽での発泡現象も、沈殿池での汚泥の浮上もなく、うまく運転管理されていました。

曝気槽(A2O法)、手前が脱窒槽、後方は好気槽

この処理場の処理水は、隣の発電所の冷却水や、街路樹の散水、修景用水として100%再利用されているとのことでした。

円形沈殿池

澄明な処理水

処理水を冷却水として利用している下水処理場に隣接する火力発電所

驚いたことの処理場の隣に大きなホテルが建設中で、これからもこの処理場が周辺住民にとって迷惑施設ではないことを表しています。

これくらいの規模の処理場であれば大量に発生する余剰汚泥の処理が問題となります。嫌気性処理した汚泥をベルトプレスで脱水し、脱水汚泥をコンポスト施設に送り、堆肥として有効利用しているとのことでした。重金属による汚染が心配されますが、問題ないとの回答でした。

嫌気性消化槽