雪国事情

一面銀世界の南魚沼は、雪のない大阪市内に住む者にとって、天候に恵まれたこともありこの上もなく魅力的。

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八海山の麓の雪景色
日本有数の豪雪地帯である魚沼地方では、今年は積雪が少ないそうで、例年の1/3とのこと。意外にも道路に雪は見られない。これは、道路中央に設けた消雪パイプのお蔭。地下水を汲み上げ、道路中央部から散水する。冬場でも地下水は水温が12-13℃あることから、地下水の散水で大きな融雪効果が期待できる。主要な道路では、降雪感知器が降雪を感知し消雪パイプが稼働しているとのこと。しかし、この消雪用に汲み上げる地下水量が増加し、地盤沈下が起っていて、その対策が急がれている。地下水を節約する方法として、汲み上げた地下水を路面の下に配置したパイプに通し、再び還元井に戻す「地下水循環方式の融雪施設」が開発されている。

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道路中央に埋められた融雪パイプからの地下水で融雪

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神社の駐車場で見かけた融雪ホース

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店の前の駐車場の融雪パイプ

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塩沢駅前の郵便ポスト

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ポスト周辺のコンクリート舗装の変色(散水した地下水に含まれる鉄分が参加され錆色がついている)
北海道や山間部では融雪水自体が凍るので、この融雪パイプは使えなく、道路に下にヒーターを入れるロードヒーティングが開発され、導入が始まっている。
建物を雪から守るのには、「防雪林」、「雪囲い」が一般的で、多くの建物は雪囲いで守られている。

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雪囲い(手前のポールは道路の位置を示す。積雪の多い時にはポールの先端付近まで積雪がある)

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そば屋の雪囲い(雪の多い時は雪囲いの上部まで積雪がある)

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雪囲いで守られた建物と建物を結ぶ通路

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南魚沼市で見かけた縦型の信号機
雪室見学の帰りに、塩沢の牧之(ぼくし)通りに立ち寄った。平成13年度の道路拡幅工事を数百年に一度のまちづくりの機会ととらえ、沿道の建替え家屋に関する協定、電線地中化、石畳の舗装を通じて、街づくりを行った。その結果、街並みは魅力的な景観となり、多くの観光客を集めている。牧之通りは平成23年度に国交省の「都市景観大賞(都市空間部門)」を受賞している。

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牧之通り

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石畳みの左には整備された雁木

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牧之通りのおもちゃ屋さん

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過去の積雪量を示すポール(一番上は、昭和58年の3.7mの積雪があった)

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牧之通りから日本200名山の巻機山(まきはたやま)(1,967m)を望む