紅葉の北海道

農水省のプロジェクトの中間検討会で、11月5日―7日に札幌と帯広に出張した。

11月5日、ANA便で伊丹から新千歳に飛ぶ。新千歳駅から快速電車で札幌駅に。荷物を駅前のホテルに預けた後、駅近くで昼食。12時30分に札幌駅北口に集合して、札幌市郊外の酪農会社のバイオガス発電と資源リサイクル施設の見学に向かった。

まず、牛舎見学。この牛舎では、牛は畜舎を自由に動き回り、搾乳を24時間ロボットで行う最新のシステムが導入されていた。

搾乳ロボット

畜舎を自由に移動する乳牛

餌を積載したトラックで給餌

もぐもぐ餌を食べる

バンカーサイロが並ぶ

牧草、デントコーン、小麦の表皮、大豆かすを混合したものを餌にしている。コーヒー飲料の製造で発生するコーヒーかすを牛の敷き藁に再利用していた。

チェーンスクレーバーで除糞

牛の排せつ物をメタン発酵処理し、発生する消化ガスで発電を行い、電気は100%売電しているとのこと。消化ガスの一部はガスボイラーで熱に変え、消化槽の加温に使っている。発生する消化液には高濃度のBOD、窒素が含まれるため、硝化―脱窒を組み込んだ回分式活性汚泥法で処理していた。

硝化槽のエアレーションの様子

水中攪拌される脱窒槽

11月5日は札幌に宿泊し、翌6日JRのおおぞら3号釧路行きの列車で帯広に向かう。
途中、北広島駅近くでは車窓からはとても野球場とは思われない「エスコンフィールド」が見えた。南千歳駅から石勝線に入り、新夕張、占冠、トマムを通過。その後は石狩山脈を横切るためトンネルが続く。帯広盆地に入るとシラカバやカラマツ(落葉松)の紅葉が美しい。残念ながら車窓が汚れていて綺麗な写真を撮ることができなかった。

紅葉した防風林と牧草地

新得山スキー場

昼前に帯広駅着。宿泊する駅前のホテルに荷物を預け、昼食に。駅前の飲食街で帯広名物の豚丼で昼食を済ませた。

帯広駅前はホテルが立ち並ぶ

帯広駅前の広場

豚丼と天ぷらのセット

13時30分から中間検討会が17時30分まであった。

11月7日は、十勝エリアに完成した酪農消化液排水処理設備を見学に。現地までの高速道路沿いには、黄色に色づいた防風林のカラマツが続き、まさに見頃であった。
牧場までの道すがら、タンチョウヅルを何羽も見かけた。デントコーン畑に落ちこぼれたコーンをついばみに来ているとのこと。また、この時期は甜菜(サトウダイコン)の収穫期で、畑の道路わきに山積みさた甜菜の山がいくつも見られた。
ここの施設では、発生する糞尿スラリーに高分子凝集剤を添加してスクリュープレスで水分率85%まで脱水している。

脱水ケーキは堆肥発酵される

脱水ケーキに水分補助剤としておが粉を添加し、堆肥発酵させている。脱離液は膜分離活性汚泥法で放流基準値以下に処理し、河川放流されていた。この脱離液処理では硝化が進みT-N濃度が低下しないため、メタノールを脱窒の水素供与体として加えT-N濃度を下げている。

処理施設(緑色の鉄板でカバーされているのが好気槽)、コンクリートでカバーされているのが脱窒槽

反応槽から採取した汚泥混合液の沈降状況

この施設では、一部の糞尿スラリーはメタン発酵し、脱離液を液肥として圃場散布で処分してきたが、広大な北海道でも全量を農地還元できないことから、このシステムを導入することで問題の解決を図っている。

かまぼこ型のメタン発酵槽

液肥タンク(右側のタンク)と液肥散布トラクター

見学が終わって帯広空港に向かう途中、天候が急変し、みぞれが降り始め驚いた。空港近くで、ばんえい競馬に使うばん馬の育成、繁殖、現役馬の繋養を行っている「ばんえい牧場十勝」の横を通過。車窓から、のんびりと過ごす「ばん馬」を見ることができた。

帯広空港に向かう道路と紅葉した防風林

13時50分のANA便で帯広空港から、羽田空港に。羽田で伊丹行きに乗り換え、18時10分に伊丹に着いた。帯広から伊丹への直行便がなく、長旅になってしまった。

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