鹿児島大学名誉教授、中国・東北大学名誉教授の野崎勉先生の主催する砂漠研修に参加し、植林を行ってきました。
25年前に、新彊大学出身のゾリフィアさんが大阪大学の研究員として派遣され、私が彼女を研究指導したことから、20年前に新彊ウイグル自治区のタクラマカン砂漠をゾリフィアさんの案内で行ったことがあります。その時、北京からウルムチまで4時間を超えるフライトで中国国土の広さを実感するとともに、飛べども続く広大な砂漠が印象に残っています。ウルムチからトルファンまでは広大な礫砂漠が行けども、行けども続いたこと、それに当時はまだ珍しかった風車が沢山設置されていました。カレーツ(蒸発を避けるために地下に築かれた水路)、ぶどう畑を見学してトルファンで一泊し、翌日は、トルファン市郊外にある観光名所、火焔山と交河故城の見学。こちらは、夏は50℃を超えることも珍しくない灼熱の砂砂漠の中でした。
こんな中国の砂漠のイメージを持って瀋陽市からバスで内モンゴル自治区通遼市近くのホルチン砂漠に植林に向かいました。行けども続くまっすぐに伸びた高速道路、その脇に広がる防風林に囲まれたトウモロコシ畑、高速道路の終点近くの草原ではこれまで見たことのないおびただしい数の風車群。中国政府の計画的な緑化とエネルギー政策が順調に進んでいること実感しました。
瀋陽市から通遼市に向かう高速道路沿いの中国華能の風車群
植林は、半砂漠状態の砂地にモンゴル松の苗木を植え付ける作業。すぐ近くには半年前に植林した松がかなり砂に埋もれているものの、元気に根付いていました。10年後のどのように植え付けた松が育っているか再訪したい念に駆られました。
植林の現場に向かう
モンゴル松の苗を植林、植林の後には水をたっぷり与えて終了
100本の植林を終えて
日本から遠く離れた内モンゴルの砂漠地帯で、野崎先生をリーダーとする日中のボランテイアグループによる植林活動が続けられていること、それも将来を担う若者が中心で行われていることに大きな感銘を受けました。
地球環境問題は異変が起こっている場所でのローカルな問題として捉えるのではなく、かけがえのない地球に住む全ての人の問題として捉えなければ解決の糸口は見いだせません。今回の砂漠研修はこの点を再認識できました。また、当時国として中国政府の砂漠化防止に取り組む強い姿勢が感じ取られ、ともすれば環境を軽視していると見られている中国の環境政策が大きく変わってきたとの印象を強く受けました。