北京市高碑店下水処理場

日本の円借款で建設された北京市朝陽区高碑店郷の境内にある北京市最大の高碑店下水処理場(現在その処理能力は1日100万トン)を久しぶりに見学していきました。

(今回が3日目の見学となります)

最初沈殿池と建設中のホテル

 

最初の見学時には、折角建設した曝気槽の1系列が電力不足で稼働していない状況でしたが、現在では中国の経済事情を反映して、大幅に処理能力を高め、順調に稼働しています。北京市で発生する下水量は250万トンで、その約半分をこの高碑店下水処理場が処理しているとのことです。

(下水処理率は北京では90%以上に達しています)

この処理場の維持管理は、北京排水集団が当たっていて、AO法で運転され、曝気槽での発泡現象も、沈殿池での汚泥の浮上もなく、うまく運転管理されていました。

曝気槽(A2O法)、手前が脱窒槽、後方は好気槽

この処理場の処理水は、隣の発電所の冷却水や、街路樹の散水、修景用水として100%再利用されているとのことでした。

円形沈殿池

澄明な処理水

処理水を冷却水として利用している下水処理場に隣接する火力発電所

驚いたことの処理場の隣に大きなホテルが建設中で、これからもこの処理場が周辺住民にとって迷惑施設ではないことを表しています。

これくらいの規模の処理場であれば大量に発生する余剰汚泥の処理が問題となります。嫌気性処理した汚泥をベルトプレスで脱水し、脱水汚泥をコンポスト施設に送り、堆肥として有効利用しているとのことでした。重金属による汚染が心配されますが、問題ないとの回答でした。

嫌気性消化槽