2018年3月26日―30日、ベトナム・ハノイとフエに出かけた。目的は、3月27日にハノイで開催された熊本大学ベトナム同窓会に出席することと、バイク事故で大怪我をした、教え子のフエ科学大学のPham Khac Lieu副教授をお見舞いすることです。
Parkside Sunline Hotelで開催された熊本大学ベトナム同窓会には、ハノイ建設大学のLeu Tho Bach副教授を含む16人の同窓生と、日本ベトナム同窓会から2人の副会長、それと熊本大学から高島和希副学長、グローバル人材教育センター長・鳥居修一教授、人材教育センター・Quitan A. Tibgin教授、福村竜也国際戦略課長、3人の国際戦略課職員、私はゲストとして参加した。今回の同窓生の会合は、正式な熊本大学ベトナム同窓会発足に向けたもので、ベトナム同窓生、熊本大学の両者から、両国間の国際交流に向けて一致協力することが確認され、有意義な会合となった。
同窓会出席者の合同写真
翌日、Leu Tho Bach副教授、Tran Hieu Hoa副教授(ハノイ建設大学)と一緒にフエに飛び、Pham Khac Lie先生自宅にお見舞いに伺った。5ヶ月前にバイク事故で左足を複雑骨折し、6時間にも及ぶ大手術を受けたとの話を聞き、驚くばかり。左足はいまだ金属のフレームで固定されている状態で、フレーム取るのにまだ1か月かかるとのこと。幸い足の骨折のみで済み、頭部は無事でこの夏には職場復帰できるとの話で一同一安心。夕食を最近オープンした素敵なレストランでPham君一家と一緒し、楽しい時間を過ごした。
洒落たフエの海鮮レストラン
Pham先生ご一家(右側)との夕食会
29日の午前中に時間ができたので、フエ空港に着陸する際に窓から見えたタンジアン・ラグーン(Tram Giang Lagoon)を観光。
このタンジアン・ラグーンはフエ市街から15㎞に位置する東南アジア最大のラグーンで、その面積は52平方キロメートル。ラグーンにはO Lau川, Huong 川、Bo川の大きな川が流れこみ、水深は2-4mと浅い。ラグーン周辺には300を超える村があり、30万人が住んでいる。これらの人はラグーンからの恵みで生計を立てている。魚、エビ、貝類、海藻など年間数千トンの水揚げあるとのこと。ラグーンであることから洪水影響を受けやすく、昨年11月の台風23号がもたらした大雨でタンジアン・ラグーンだけでなく、フエ市街も大洪水となり、大きな被害が出た。
フエ市街から車で細い道を走ること30分でラグーンに到着。そこから、観光客相手のボートに乗ってラグーン見学。巨大なラグーンでは、ある範囲を柵で囲み、魚やエビを呼び込む漁法を採用している。10分ほどボートで走ると、ポツンと現れる小さな島のレストランに到着。ラグーンで採れる新鮮な魚介類を楽しむことができる。
観光ボートの発着場
一面柵で覆われた水面。左上のかごは、魚をトラップするかご
干潟の中の小さな島に到着
島のレストラン、床は竹
レストランのある島の近くで見つけた枯れたホテイアオイ(この干潟が汽水であることを示している)
昼食には早いことから、エビを捕獲する現場を見せてもらう。ボートで柵の中に入り、細い目の網を仕掛ける。その後、水面を棒でたたいたり、ボートをたたくことでエビを驚かせ網にかける漁法。このラグーンは養殖池でないことからエビの密度は低く、残念なことに一匹も捕獲できなかった。
網をセットする
水面を叩きエビを驚かせる
レストランに戻り、新鮮な魚介類を選んで、調理を注文。新鮮なハマグリ、小エビ、オゴノリ(Gracilaria)、カニ、魚、魚のスープを楽しんだ。
小エビの空揚げとハマグリをゆでたもの
ゆでたカニ、卵が多く美味
オゴノリ
日本では、ベトナムで養殖したブラックタイガーが有名だが、これはメコンデルタ、ハロン湾で養殖されている。タムジャン・ラグーン近郊の海岸地域では、近年急速に養殖エビ生産が拡大している。ここで養殖されているのはバナメイという種のエビ。バナメイは病気に強く成長も早く、遊泳生活をすることから養殖密度をブラックタイガーの10倍以上に高めることができるのでバナメイの養殖が人気を集めている。そのため、水田を養殖池に変更し、養殖に必要な海水は、海岸の砂浜の地下4~8mからポンプで汲み上げて調達。今回は時間がなく、バナメイエビの養殖を見学することはできなかった。ブラックタイガーの養殖では環境破壊が問題視されているが、バナメイの養殖がその轍を踏まない事を祈りたい。