四回目の砂漠緑化活動

今回で、鹿児島大学名誉教授の野崎勉先生が主催する内モンゴル自治区での砂漠緑化ワークショップに参加するのが4回目になる。回を重ねるにつれ、瀋陽から内モンゴル自治区のホルチン沙漠を結ぶ高速道路と一般道路の整備状況がどんどん良くなり、今回はこれまでになく快適なバスの旅になった。乾燥地帯を走る高速道路のゆったりとした車線、手入れの行き届いた街路樹と緑の中央分離帯には驚かされる。例年に比べ降雨が多く、砂漠にも水たまりができるほどであった前回の砂漠緑化ワークショップ(2015年6月13-14日)に比べ、今回は7―8月に降雨が少なかったこともあり、乾燥した砂漠を実感しての植樹活動になった。
沙漠化の進行している最前線域で行っている植樹活動には、今回は社会人3人、学生21人が参加。前回の植樹では頑張りすぎて腰を痛めたことから、今回は穴掘りを控えようと思っていたものの、女性の参加者の割合が多いこともあり、結局前回と同じくらい10本近くのモンゴル松を植樹した。(幸いにも今回は前回の反省もあり注意し穴掘りをしたので、腰を痛めることはなかった)

 

植樹の指導をする野崎先生

植樹の後、これまでに野崎先生が行ってきた植樹地域の下草刈りを初めて行った。植樹後5年も経過した松は幹も太く、青々と逞しく元気に育っていることに感動。20-30年後には、この植樹したモンゴル松の森が沙漠化の進行をストップし、多くの生き物が共存できる生命でいっぱいの生態系の基盤になることを期待したい。

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これまでに野崎先生のグループが植林した地域

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植林後5年を経過したモンゴル松を前に野崎先生が松の生育状況を説明

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野崎先生(右)と東北大学の朱教授(右)
2日目のホルチン砂漠での乗馬体験では、これまでになく沙漠の形状が大きく変わっているのに気付き、沙漠が生きていることを実感。これとは別に、年を追うごとに沙漠観光が商業化してきているのにも驚かされる。乗馬、サンドバギーに加えて、ジープによる沙漠ドライブが人気で、ジープが大きな音をたてながら我が物顔でボルチン沙漠を縦横無尽に走り回っている。一方では、乗馬の距離が短くなり、もう少し先にと思うと馬子から追加のお金を要求される。砂漠観光の商業化で地方を活性化させたい地元住民の願いは分からないではないが、もう少し棲み分けをして、のんびりと乗馬を楽しむことのできる環境を創ることが、長い目で見て多くの観光客を引き付けるではないだろうか?

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ホルチン砂漠の観光センター。ここで馬、ラクダ、サンドバギー、ジープに乗る

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馬に乗って砂漠観光

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ホルチン砂漠の砂紋

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ホルチン砂漠の観光センター右横の植林により砂漠化を食い止められた地域
若い中国の大学生諸君と寝食を共にしての砂漠緑化ワークショップ。学生諸君から若いエネルギーを沢山もらった。彼らと一緒に真っ青な青空のもと植林に汗を流すことで、毎回心身ともにリフレッシュできている。参加して頂いた学生諸君に感謝!!

奥入瀬渓谷から十和田湖へ

仕事で青森に出かける機会があり、レンタカーを借りて奥入瀬渓谷、十和田湖に足を延ばしました。ゆっくり景色を楽しみながら国道103号を走ること約1時間半、102号線に入ると奥入瀬渓谷。ここ数日の大雨で、折角の渓流が茶色の泥水に。がっかりしたが、奥入瀬の源流は十和田湖なので、上流の綺麗な渓流を期待して、車を渓流沿いに十和田湖に向けて走らせる。土曜日であったにも係らず天気予報が雨の予報で観光を取りやめた人が多く、102号線は閑散。少し道幅の広がったところに車が数台止まっていて、スピードを緩めてみると右手に滝が見え、我々もそこで下車。木製の橋を渡ると九段の滝でした。

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九段の滝付近の渓流

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九段の滝
さらに車を進めると、右手に大きな滝が見えた。駐車するスペースはないので、先に進むと、駐車場があり、多くの車(その多くがレンタカーでした)が駐車中。そこに車を入れ、少し下流に下がったところが銚子大滝。この滝を流れるのは源流十和田湖の綺麗な水。予想通り大雨にも係らず観光パンフレットやテレビで見た豊富な水量を誇る銚子大滝を満喫。

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銚子の滝を下から望む

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銚子の滝(横の遊歩道からの眺め)

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銚子の滝近くの渓流
さらに進むと十和田湖に。子ノ口で昼食後、湖岸道路を15分走って、休屋に。そこから、遊覧船に乗って約1時間の十和田湖遊覧に。
十和田湖は、約2,000年前の火山活動でできたカルデラ湖で、周囲4km、最深326.8m、透明度12.5m。大きさは日本で12位、深さは日本で3位の綺麗な湖。休屋港を出て、西湖、中湖を巡回するコース。当日は、曇りの生憎の天気で視界は良くなかったが、思い出深い遊覧となりました。

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手前は甲島、後方は鎖島

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見返りの松(国立公園であることから手入れできないが、この枝ぶり)

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五色岩(酸化鉄の色で赤い)

十和田湖から再び奥入瀬渓谷を下り宿に向かう途中右手に滝を見つけて下車して見学。曇井の滝でした。

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2015日本国際ドラゴンボート選手権大会

日本三大祭りの天神祭は7月24日、25日に開催されるので、大阪天満宮の近くでは準備が急ピッチで進んでいます。先日、天満橋を渡った際、橋の欄干に提灯を吊るすための柱が頑丈に建てられていて、天神祭奉納ドラゴンボート選手権の旗がはためいているのを見ました。帰宅後ネットで調べたところ7月19日の日曜日に天神橋をスタート地点とするドラゴンボート選手権大会が大川で開催されることを知り、本日見学に出かけました。

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南天満公園に掛けられた大会の垂れ幕
大川沿いの南天満公園には選手村が設けられていて、すでにレースを終え、次のレースに備え休憩している選手、昼食を取っている選手で混雑。

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テントの中で休息をとる選手

天満橋のたもとの南天満公園からでスタートの状況を見て、同じ条件でスタートするのが思いの外、難しいことに驚く。

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橋の欄干から垂らされたロープでボートを固定しスタートラインに並ぶ
その後、天満橋の欄干から、スタートの様子を中心に2レース観戦。何度もスターターの要請でレーンに入ったり、橋の上から吊るしたロープでスタートラインを越えたボートを引きもどしたりの繰り返し。すべてのボートがスタートラインに並んだところで、スターターの声で一斉スタート。

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スタートの合図とともに舵取りがロープを離して一斉にスタート

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天神橋に向けてスタート

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競技を終えて選手村に帰る漕ぎ手
ボートには、舳先に一人の太鼓手、20人の漕ぎ手、一人の舵取りが乗り組み、平等を期すために、ボートは全て主催者が準備したものを使用する。コースは天満橋をスタート地点とし、天神橋に向かっての250mの直線コース。時間は1分20秒前後。中々の迫力あるレースでした。

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八軒家浜の乗船エリアからボートに乗り込む

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スタートを待つ5艘

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ゴール寸前の様子

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レースを終えて乗船エリアに向かう(お疲れ様)

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天神橋からスタート地点の天満橋を望む(左奥はOBPの高層ビル群)

 

 

済南市の湧き水

山東省の省都・済南市は、南は中国の霊峰・泰山に接し、北は黄河を望み、南高北低の地形となっている。済南市の人口は山東省では、青島市に次いで多く、680万人(市区人口433万人)。

済南市は別名「泉城」と呼ばれ、湧き水で有名。市街地南部の山岳エリアの地形が高いことから、地下に浸透した雨水が岩の層の傾斜に沿って北に流れ、これが市街地の固い輝岩にぶつかって地形の低い市街地で泉となって湧き出ている。市内には100以上もの湧き水があり、市民の憩いの場、観光名所となっている。
山東大学での午前の授業が終わった後、午後に大学院の女子学生2人に市内中心地にある天下第一泉景勝地のうち湧き水2か所と、湧き水でできた大明湖の見学に案内してもらう。
済南市の中心地にある泉城公園は、天下第一泉景勝地と呼ばれる景勝地に取り囲まれている。天下第一泉景勝地は一河(護城河)一湖(大明湖)三泉(シャク突泉、黒虎泉、五龍漂泉脈)四園(シャク突泉景勝地、環城景勝地、五龍漂景勝地、大明湖景勝地)からなる敷地面積3.1km2の地域。済南市の中心地に位置しながら、独特な天然泉風景と濃厚な歴史文化の雰囲気を融合している泉城を代表する景勝地である。

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泉城公園(地図の下の緑)の上部を湧き水を水源とする城河が流れ、最終的に地図の上部にある大明湖に注ぐ

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 黒虎泉群の近くにあるプール(学生の話では、水は湧き水ではなく水道水とのこと)

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白石泉の様子(黒い服を着たガードマンが泉に手をつける人等を監視)

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黒虎泉の様子。3か所から湧き水がでていて、それを汲み上げる市民。汲み上げた水はペットボトルやポリタンに入れて持ち帰っている。底からも湧き水が出ていた。

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黒虎泉からの湧き水が城河に流れ込む。水量は1分間数トンか?

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黒虎泉のすぐ横で大椀茶を楽しむ観光客

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一杯2元の大椀茶(ジャスミン茶)を案内の学生さんと楽しむ

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琵琶泉の紹介

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城河を遊覧船で楽しむことができる

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城河の清掃船(ごみ、落ち葉、水草の回収を行う)

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金虎の紹介、水不足で湧き水は見られない

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川幅が広がった城河、奥が黒龍泉

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泉城公園近くの城河で釣りを楽しむ市民(釣れるのは5cm程度の小魚)

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泉城公園。夜には照明付の噴水ショーがある。この公園の下はショッピングセンターになっている

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泉城公園に済南のシンボルマーク。近くのシャク突泉で勢いよく噴き出る湧き水がデザインされたもの。

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シャク突泉の様子。今年は水不足から湧き水が勢いよく噴出する様子が見られない

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本来ならこのような湧き水の様子が見られるとのこと(公園内の写真から)

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大明湖景区は5Aの国家級旅遊景区に指定されている

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地図の左下の西南門から公園に入る

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公園への入口(入場料は一人30元)

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西南門を入ってすぐの大明湖の眺め(市の中心にある湖沼としてはスケールがでかい)

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蓮の花が満開を迎えている

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大明湖で電気ボートを借りて遊覧する観光客

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大明湖にもごみ回収船が

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大明湖の後ろには済南市で一番高いビルがかすんで見える

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この日のPM2.5 は250(中程度の汚染)で晴れにもかかわらず太陽をカメラで捉えることができる

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観光船(電気駆動)で大明湖に浮かぶ島へ

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大明湖の湖畔には百日紅が咲き誇る

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よく整備された大明湖の湖畔の遊歩道。大きな柳が有名

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手入れの行き届いた湖畔の植栽

山東大学

6月30日から7月11日まで、山東大学・環境科学工程学院の招きで講義に出かけてきました。山東大学は山東省の省都・済南市に位置し、中国教育省から国家主要第一級大学(21校選ばれる)に選ばれている総合大学ます。

中国で2校目の国立大学として1901年に創立。30の学部、大学院から構成され、生徒数は中国でも屈指の9万人、留学生も3,000人も在籍。大学本部キャンパスは済南市にありますが、本部キャンパス以外に済南市には5つのキャンパス、その外に黄海に面した威海にもキャンパスを持っています。創立後時間が経過していること、現地再開発では需要に応じきれないことから、青島市に新キャンパスを建設中で、2016年には移転が始まるそうです。今回訪問した環境科学工程学院も青島キャンパスに移転予定で、先生方へのアパートのに割り当てはすでに終わっているとのことでした。山東大学と熊本大学は、学術・学生交流協定を締結している友好大学で、活発な交流が続いています。2010年には、山東大学に熊本大学のサテライトオフィスが設置されています。

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山東大学・環境科学工程学院での大学院学生への講義の様子
今回は、本校キャンパス(中心校区)にある大学ホテルに宿泊。大学のホテルとしてはなかなかのもので、ロビーには4星の表示が。11階建ての本格的なホテルで、3階から11階が客室、2階には本格的な中華料理レストランが入っています。朝食は中華のバイキング。メニューが毎日それほど変わらないことから、11泊したので最後にはさすがに食欲が減退してしまいました。

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大学構内にあるホテル
ホテルから、講義のあった環境科学工程学院の会議室まで徒歩で5分。広いキャンパスは樹高の高いプラタナス、ポプラ、ヒマラヤスギ等の街路樹でうっそうと覆われ真夏にも係らず広大な木陰がキャンパスの至る所で創出されていました。

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木陰の閑静な構内の風景

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朝には太極拳を楽しむ人々も

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高い木の木陰は学生の勉強の場(Wi-Fiも使える)

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大学正門横の通用門に向かう車

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巨大なプラタナスの街路樹

講義の終えた最終日に、環境科学工程学院の劉書記に、大学本部、山東大学博物館、青島市に建設中の新キャンパスの模型、体育館、駐車場、学生寮、正門から図書館に向かって整備された大成広場を案内して頂きました。

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青島市郊外に建設中のキャンパスの模型(黄海に面している)

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山東大学体育館

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体育館には12面のバトミントンのコート。8,000人を集めての催しができると。

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体育館横のグランドの下に設けられた巨大な駐車場(大学の教官は駐車料金は不要)

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修士課程の学生寮(手前が女子寮で向こう側が男子寮、1棟で約3,000人の収容)

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学生寮横の広場のネット購入品の受け取り場所

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大学レストランの入口付近に並ぶ魔法瓶の列(お湯をもらって、部屋でお茶を飲むのに使う)

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古くなった学部学生用の学生寮を建て替え中

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博士課程の学生寮

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歴史系八大教授像

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大学の正門

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正門から図書館、大学本部(27階建て)を望む

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大学のスローガンが掲げられている

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図書館に続く大成広場

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きれいな水が流れていて、小さな子供の水遊び場所になっている

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大学図書館入口(人材育成が国家の繁栄に繋がるとのスローガン)

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構内には孔子のフラッグが掲げられている

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大成の文字が噴水からの流水中に浮かぶ

大成広場の中央を流れる水路の両側のプロムナードに孔子の六芸(礼、楽、射、御、書、数)を示す6枚のレリーフが埋め込まれいる。

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”書”を示すレリーフ

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”射”を示すレリーフ

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”御”を示すレリーフ

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夜に大成広場の横のプロムナードを散策する市民

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大成広場を孔の周囲にはの六芸に秀でた72人の弟子の数に合わせて72本の木が植えられている

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72本の木を守るための手入れの様子

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大学構内にあるコンサートホール(収容人数は800人と少ない)

以上、山東大学本校キャンパスの紹介でした。全て驚くスケールの施設ばかり、山東大学の巨大さを実感しました。

 

 

 

 

泰山登山

10年以上前に、三峡ダムの建設現場を訪問した際、ダムの堤体に掲げられていた大きな垂れ幕に書かれたスローガン「泰山に匹敵する程の高品質のダムを建設しよう」を見て、中国人にとって泰山が特別な山であることを知りました。これ以来、機会があれば泰山を登ってみたいと思っていたのですが、これまでその機会に恵まれませんでした。今回の山東大学から講義依頼を受けた時、招聘していただいた山東大学環境科学工程学院のNi副教授から、泰山は大学のある済南市からすぐ近くで、一緒に泰山に登りましょうと言われ、二つ返事で引き受けた次第。
泰山は、山東省泰安市にある山。高さ1,545mの中国5岳の一つで、五岳の中で最も尊い周時代(3千年前)からの聖地。富士山に相当する山・泰山には年間700万人が登るそうです。泰安市は、「泰山が太平であれば、全国各地が太平になる」ということわざから生まれてきて、「国家が太平で、国民の暮らしが平安になる」という意味が含まれているとのこと。
7月4日(土)に車で、済南から高速道路を使って3時間の曲阜に行き、孔子廟を見学。その後、泰安市まで戻り、山裾のホテルにチェックイン。夕食後、雄大なプロジェクトマッピングとパーフォマンスを組み合わせた「中華泰山封禅大典」を鑑賞。このショーは歴代皇帝が泰山で行った天地を祭る儀式を現代に再現したもので、巨大な階段状のステージ上にプロジェクトマッピングで背景が映し出され、200人を超えるパーフォマーが演ずる舞台は魅力的でした。これと同様のもので、水上で演じられる舞台を桂林で見ましたが、それ以上の迫力。

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巨大な階段でのパーフォーマンス

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舞台の階段が割れる
翌5日(日)の9時に泰山の登山口・岱宋坊から、専用の大型バスでロープウェイの乗り場・中天門まで、そこから泰山の頂上近くの南天門(1,460m)までは15分かけてロープ―ウェイで運んでもらう。(中天門ロープウェイ)

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岱宋坊からスモッグでかすむ泰山を望む

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ロープウェイの乗り口まで送るマイクロバスに並ぶ観光客

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泰山観光案内図(右の黄色のルートで乗り場に、点線のロープウェイで南天門駅に。帰りは、左の点線で桃花源駅に。そこから左のルートで下山)

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ロープウェイで泰山を目指す

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ゴンドラから発着駅を望む

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南天門を目指す登山客(自力で中天門駅から頂上までの3,967段を登ってきた観光客)

南天門付近は日曜日で多くの観光客で賑わっていました。

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南天門

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南天門の様子

頂上の玉皇頂(1545m)までは天街を散策。頂上までの道すがら、儒仏道三教道合一による、道教以外の孔子廟・仏教寺院がありそれを見学。

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泰山にはこの種の岩が多い

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泰山での孔子廟

 

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孔子廟近くからの眺め

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無名碑(石碑全体に何も書かれていない。漢の武帝が建立した

高さ5.2mの石碑。武帝が泰山を封禅した時のシンボル)

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泰山の山頂にある道教のお寺(頂上を示す碑の左に

大きいコインがあり、観光客がそれに向かってコインを投げ、当たって

音が出るといいことがある。石碑の周辺には願いごとを書いた鍵が掛けられている)

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頂上近くにある宿泊施設

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頂上から下って、下りのロープウェイ乗り場に向かう
頂上で一休みした後、南天門からもう一つのロープウェイの乗り場・西天門駅に。そこから、15分かけて桃花源駅に。

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下りのゴンドラから西天門駅を望む

そこからまたマイクロバスで麓まで降ります。途中、泰山からの湧き水を集めた渓流がありますが、今年は雨が少ないそうで、下流では枯れ川となっていました。

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泰山の渓流沿いで結婚式の前撮りの様子

黄河

6月30日から2週間の予定で、中国・山東大学(山東省の省都・済南市)に講義に行きました。山東省では青島市が日本ではよく知られていますが、済南市は山東省の省都で市区の人口が434万人の中規模の都市です。市中を黄河が流れ、南には泰山が控えています。市は三方山に囲まれるため、盆地のような気候で、夏には40℃近くまで温度が上がるとのこと。
講義の合間を縫って、市内を流れる黄河を視察。大学から40分ほど北に走ると黄河に突き当たります。長江のイメージが強いことから、対岸が見えないくらいの大きな川を想像していたものの、拍子抜けするぐらい川幅が狭く驚きました。

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観光船乗り場近くの黄河、まるで泥水

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想像したよりも狭い川幅、鉄道橋がかかる

川は黄河と言われるのが十分に納得できるほどの泥水。しかし流れは早く、相当の水量。済南市には鉄道橋を除いて、黄河を跨ぐコンクリート橋が3本、浮橋が2本かかっていて、いずも有料とのこと。近くの浮橋(片道1車線)を渡り黄河の流れを実感。驚いたことに、この浮橋の近くの浅瀬で水泳をしている人を見かけました。(遊泳は禁止されている)

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片道1車線と単車、自転車、歩行者用の浮橋

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浮橋は川中の支柱で台船を固定し、その上に鉄板製の車道を設ける構造

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遊泳禁止の黄河で水遊び、泳いでいる人も

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ここで通行料5元を支払う
この浮橋を渡るのに5元を支払って、近くの黄河森林公園を訪ねてみました。うっそうとした河畔林を想像していたのですが、あったのは、遊園地と野外バーベキューの施設。ウイークデーでもあり人影はまばら。週末は多くの市民が遊びに来るそうです。

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黄河森林公園の様子
済南市は周囲を山で囲まれていることもあり、市内の多くの泉水があり、別名泉城と呼ばれています。このことから、水道は熊本市と同じ地下水が水源かと思いきや、実は主要な水源は黄河とのこと。SS濃度が異常に高いこの黄河の水から水道水を作るには、河川の伏流水を取るのが一般的ですが、済南市では、直接、黄河の水を水源として使っています。浄水過程で発生する大量のSSをどのように処理しているか大いに興味のあるところ。市内には浄水場が1か所、下水処理場が3か所あるとのことでした。

大阪の桜

大阪のソメイヨシノは、花冷えもあり例年よりも長く花持ちしましたが、満開で見ごろの週末(4月5日)は雨にたたられ、満開の桜の下での花見は拍子抜けになってしまいました。大阪では桜の名所は沢山ありますが、大阪城の桜、我が家の近くの大川沿いの桜が特に有名です。

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大阪城西の丸公園前の桜

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大川沿いの桜(橋は桜宮橋、右の建物は造幣局)

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大阪帝国ホテル前から大川を望む

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大川の川面に垂れさがる桜の向こうに都島橋の手前でUターンする水上バス

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大川左岸からの眺め(右:大阪帝国ホテル、中央:大阪OAP、左:OAPレジデンスタワー)

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桜宮橋(通称:銀橋)から満開の桜越しに帝国ホテル、OAPを望む

これに加えて、大川沿いに建つ造幣局の桜の通り抜けが大阪市民のもう一つの楽しみ。造幣局の構内560mには、ソメイヨシノよりも1週間から10日開花が遅れる遅咲きの130種、350本の桜が植わっています。今年は、4月9日から15日が通り抜けの期間です。江戸時代に津藩を治めていた藤堂家の大阪屋敷の跡に造幣局が建てられ、屋敷内にあった多くの桜が造幣局に引き継がれることになり、この桜を多くの市民に楽しんでもらおうと明治16年から造幣局の桜の通り抜けが始まったとのこと。今では、珍しい桜が無料で楽しめるということで、毎年60万人もの人が桜見物を楽しんでいます。

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4月9日のオープン初日の通り抜けの入り口

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造幣局構内の様子

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通り抜けの混雑の様子、多くの中国人観光客で賑わう

一番多いのが、東京荒川堤の桜として有名な寒山(かんざん)で61本。ついで、花の中から葉化した二つの雌しべが突き出し、その先端が屈曲する状態が、普賢菩薩の乗る象の鼻に似ているところから名づけられた普賢像が12本と多く、花が淡黄緑色のうこんの根の色に似ている鬱金(うこん)7本がこれに続きます。これ以外に、珍しい名前の楊貴妃、蘭蘭、妹背など桜を楽しむことができます。

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今年の桜:一葉(いちよう)

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寒山(かんざん)

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普賢象(ふげんぞう)

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市原の虎の尾

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紅虎の尾

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八重紅枝垂

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御衣黄(ぎょいこう)

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蘭蘭

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笹部桜

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鬱金(うこん)

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通り抜けの出口の様子

造幣局の桜の通り抜けを楽しんだ後は、大川沿いに立ち並ぶ屋台で飲み食いをしながら天満橋方面に取って返すの一般的な観光ルートになっています。

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営業準備中の屋台(数百メートル屋台が続く)

ハノイの街路樹伐採

 

今、ハノイっ子の一番の関心事は市内中心部の街路樹の伐採。ハノイ市の当局が、安全上の理由から市内の190の通りの街路樹約6700本の伐採作業に着手したところ、市民から見直しを求める声が上がり、計画は中断されている。ハノイ市の街路樹は、樹齢100年を越えるような巨木が多く、車の通行や、歩行者の妨げとなっている。特に、歩道が商売や単車置き場に使われ、危険極まりない状態であるが、これに大きくなった街路樹が輪を掛けているのは事実。

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ホテルからの眺め、緑の多くは街路樹

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歩道が商売に利用され、歩行者は車道を歩かなければならない

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歩道を占拠する飲食店の椅子

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歩道での飲食店の営業状況

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歩道を塞ぐ街路樹
個人的には、歩道を本来に歩行者専用にすることが先決と思うが、ハノイ市は交通の妨げになっている木や、枯れて倒壊の恐れがある木を730億VND(約4億1200万円)もの予算を使って伐採し、新しい木に植え替えることを決めた。

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整備された道路の中央分離帯の街路樹

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美感的に疑問が残る分離帯の街路樹

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整備された街路樹

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緑のトンネルになっている街路樹

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街路樹で交通信号がはっきり見えない
伐採時の写真は取れなかったが、ネットでその写真を見ると、大きな街路樹が機械力を使って伐採されている。

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街路樹伐採の様子(共同)

日本ならば街路樹はこれほど大きくなる前に剪定して、必要以上に街路樹を大きくしないのが一般的。ハノイでは樹木の生長が早い上、予算的な制約から手入れがなされず、日本では考えられないような巨大が街路樹に成長している。
多くの市民は「街路樹はハノイの誇り」などとして、伐採に強く反対している。今後は、市当局と市民が話し合い、ハノイ市の将来設計に基づき、街路樹の維持管理が進むことを期待したい。

ハノイ・ノイバイ国際空港・第二旅客ターミナル完成

3月23日から27日に、ベトナム・ハノイに出張していました。

ハノイには過去15年間、毎年1-2回、訪れていますが、訪問の度に街が大きく変貌するのに驚いてきました。今回の訪問ではこのほど完成したノイバイ国際空港の国際線専用ターミナルと同市中心部からの交通アクセスを改善する橋、高速道路に殊の外驚かされました。

2012年2月から日本の技術活用型の円借款で行われていた、ハノイ・ノイバイ国際空港・第二旅客ターミナルを新築する建設工事が完成し、この2月から運用が開始。この工事、日本の大成建設と地元のビナコネックスのJVで、総工費761億円(78%が円借款)をかけて行われました。これまでのノイバイ国際空港・旅客ターミナルは国内線専用のターミナルとして使用されることです。ターミナルはオープンして一か月余りということで全てピカピカ。これまで、多くの東南アジアの空港ターミナルを見てきましたが、その多くは、外見は立派なものの、ディーテイルに問題がありました。新装なったノイバイ国際空港・第二旅客ターミナルは日本の技術を活用し、大成建設が主導したこともあり仕上がり状態は日本基準。エアコンの効いたボーディグブリッジは日本と同じもの。歩く歩道、エスカレータ、ターンテーブルはFUJITECでこれまた日本と全く一緒。ベトナムの空港では預けた手荷物がターンテーブルから出てくるのにひどい時は30分以上かかっていたのが、イライラすることなく10分程度で出てきました。日本への帰国時のチェックインも、以前は30分待ちも当たり前であったのが、日本並みの待ち時間に。入国審査、手荷物検査もこれまでになくスムース。まさに、これからのベトナムの経済発展を象徴するターミナルになりました。

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駐車場から第二旅客ターミナル一階のエントランスに向かう

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第二旅客ターミナル一階には綺麗な水の池を配置

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発ロビーの様子(天井は関空や福岡国際空港に似ている)

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開放的な免税店

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ムービングウォーク(FUJITEC製)で出発ゲートに向かう

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21番ゲート付近の様子

これに加えて、ノイバイ国際空港と市内を結ぶ新しい連絡道路とそれを可能にする紅河にかかるニャツタン橋(総事業費は1070億円で、このうち68%が円借款)も同時に完成。これまで、ハノイ市中心部から空港に向かう道路は1本しかなく、市内から空港まで1時間あまりもかかっていたのが、30-40分と大幅に短縮されました。これまでの空港までの連絡道路は、一見自動車専用の高速道路に見えるものの、バイクも走り、一般道路も横断していてこの上のない危険な道路でした。これが、片側3-4車線、最高速度が80㎞の自動車専用道路となり、道路の照明、交通表示も分かりやすくなりました。夜間水銀ランプで証明されたこの道路を走っていると、どこか先進国の高速道路と錯覚してしまいます。ニャッタン橋(愛称日越友好橋)は東南アジア最大級の斜張橋で、5個のひし形の橋脚と220本のケーブルで支えられています。まだ橋脚やケーブルのイルミネーションはされていませんが、この橋がイルミネーションされれば、ハノイ観光の名所になること間違いなしです。

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紅河にかかるニャッタン橋(在ベトナム大使館HPから引用)