PM2.5汚染

2月23日-25日、中国・北京に滞在していました。
23日に関西空港を飛び立つ際に、大連行きの便が、天候状況で降りられないときは瀋陽に向かいますとのアナウンス。北京のPM2.5が大連に飛来してきたのではと想像し、それならば、北京行きの便は予定通りに飛ぶし、北京の大気汚染はそれ程でもと期待して搭乗。

「北京空港に間もなく到着します」とのアナウンス。しかし、窓の外を見ると、まだ雲の中。まだまだ時間がかかるなと思っていた瞬間、ドーンとランディング。PM2.5で視界不良の中での着陸でした。よくこの視界不良の中で着陸できたと思うほどのスモッグ。
これまで、上海には冬に何度か訪問し、スモッグで全く太陽を見ることが出来ない状態でした。冬の北京は久しぶりの訪問です。報道では、北京のPM2.5汚染は上海の大気汚染と比肩するとのこと。冬は風が強くなる北京では、スモッグが飛ばされガスらないのが私の認識でした。風がない上に、北京の人口は増加の一途(2,000万人を超える)。冬には暖房用の石炭の燃焼と、増え続ける車の排ガス、これに風がない日が続くとPM2.5汚染が深刻な状態となります。北京に住む教え子の話では、ここ数日のPM2.5濃度は400μg/m3を超えているとのこと。日本のPM2.5濃度に関する暫定基準は、一日平均濃度が70μg/m3。(WHOの基準は20μg/m3)
今回の宿泊は、北京オリンピックのメイン会場である通称「鳥の巣」のすぐ隣に位置する北京グランドスカイライトキャティックホテル(北京凱迪克格蘭曇天大酒店)。部屋から鳥の巣がクッキリかと楽しみにしていたのですが・・・ガスっています。鳥の巣の奥のオリンピック記念タワーは霞んで半分位しか見えません。これらの施設は夜にライトアップされるのですが、それもこのスモッグで台無しでした。

DSC03380

ホテルの部屋からスモッグにかすむ北京オリンピックスタジアム(左)とオリンピックタワー

DSC03382

午後3時、ホテルの部屋から見た鳥の巣
中国にはこれまで何回となく足を運んでいる私ですが、PM2.5が400μg/m3を超えるような状況では、さすがにマスク無くして外を歩く勇気はありませんでした。25日、帰国前の時間を使って鳥の巣の見学に出かけました。(入場料50元)スモッグの影響で観光客はほとんどいません。スタジアムの内部には雪を使ったアトラクションが催されているようでしたがこれも開店休業状態。

DSC03395

鳥の巣の全景(前の池は下水処理水の再生水)

DSC03399

鳥の巣の内部(トラックの雪は運び込んだ?)

DSC03404

背景のIBMタワーもスモッグで霞む
25日の帰国もスモッグでフライトがキャンセルになるのではないかと心配したのですが、予定通りに帰国できました。(ちなみに北京から大連行きは軒並みキャンセルでした)

DSC03408

北京空港に向かう高速道路の様子
26日は大阪でも中国から流れ込んできたスモッグの影響でPM2.5濃度が最高で90μg/m3を超え、不要な外出を控えるようにとの注意報が出されました。(この日我が国で9府県で初めてのPM2.5注意報が出ました)27日には北京ではスモッグが解消され、青空が戻ったとのこと。27日-28日に熊本に出張していましたが、28日の朝は、中国からのスモッグが熊本に到着し、大阪と同じく晴れなのに熊本の空が霞んでいました。
日本では、PM2.5の影響が継続すると、酸性雨としてもその影響が現れるのではないかと心配されています。
韓国でも、中国からの越境してくるスモッグでPM2.5濃度が高く北京と同じような影響。これに加え、インフルエンザが蔓延しているとの報道されています。
このようにPM2.5問題は、中国本土のみならず、国境を越えて韓国、日本にも大きな影響を及ぼします。歴史認識で、日中韓の関係がギクシャクしていますが、こと環境問題には国境はありません。スモッグ問題を克服してきた日本の技術を中国に移転し、一刻も早くPM2.5問題が収束することを願わずにはいられません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です