砂漠研修旅行(2)

9月7日に、内モンゴル自治区通遼市の中心市街地から30km離れたカンジカ地区からバスで40分近くの砂漠最前線で植林活動を終えた後、近くの原生林「大青溝」の散策に出かけました。この地域の砂漠には地下水が流れていて、乾燥地域に人手の入らない大規模な原生林が突如出現します。この地が砂漠化する前は、大きな川が流れていたのでしょう。乾燥化が進行して河川が消失した後、深く侵食された箇所に地下水が地表に現れ、長い時間をかけて原生林が構成されました。地上から100m近く長い階段を降りると、気温は一気に低下します。小川の流れる紅葉樹林帯の緑のトンネルの散策を楽しみました。砂漠と原生林の組み合わせに人気があり、土曜日ということもあり多くの観光客で賑わっていました。

眼下に広がる原生林「大青溝」

地下水の小川が原生林を育む
カンジカに帰る建設中の高速道路沿いの法面では、「草方格」による緑化工事進んでいました。「草方格」は、麦わらや樹木の枝を砂中に押し込み、約1mX1mの低い柵をグリッド状に作り、砂の動きを抑える砂漠緑化手法です。一部この「草方格」の効果でグリッド内に草木が育っていて、その効果をこの目で確かめることができました。

樹木の枝で作られた「草方格」のグリッド

グリッド内で草が根付く

緑化が進んだ道路の法面 (ここまで育つと砂は風で飛ばない)
7日はカンジカ地区のホテルに泊まりました。翌日8日は快晴、ホテルの部屋の窓から集合住宅の屋上に多くのソーラー給湯器が乗っかっているのが見えました。ちなみにソーラー給湯器の設置台数では中国が世界一です。日本では集合住宅の屋上に個人のソーラー給湯器を設置することは希です。

集合住宅の屋上に設置されたソーラー給湯器

部屋のすぐ近くに煙突2本見え、その1本から黒い煙がモクモク。石炭を燃やしているのでしょう。住居のすぐ近くで排煙対策が行われていない燃焼施設が稼働しているのをよく目にします。

住居の近くの煙突から黒煙が
ホテル前の商業施設の看板です。中国語の他にモンゴル語で看板が書かれています。私にとって始めて目にするモンゴル語です。

モンゴル語と中国語で書かれた店の看板
車のナンバープレート。モンゴルを意味する蒙がプレートのトップ文字です。

内モンゴルのナンバープレート

カンジカの街中でみかけたロバに引かれた残飯回収車
朝8時半にカンジカのホテルをバスで出発し、塔敏査干(ターミンチャガン)砂漠に向かいました。40分かけて砂漠に到着し、馬に乗って砂漠を見学しました。この地域は近年、観光地として開発されたもので、砂漠には馬、駱駝、サンドバギー車を使っての見学となります。足に自信のあるものは徒歩でも砂漠の散策は可能です。我々は馬を利用しました。ちなみに料金は40元(約600円)でした。普段は農耕に使っている馬を、観光用に転用。手軽に現金が得られることから現地の農家のいいアルバイトになっています。

利用する乗り物の値段表

サンドバギーが若者には人気

20分の乗馬で砂漠の撮影ポイントに(これ以上先に行くには追加料金が必要)

私の乗った白い馬
例年は年間降水量が500mmを下回る乾燥地帯ですが、ことしは雨が多いことから、砂漠にもまだらに草が生えているばかりか、我々が訪れた数日前に大雨があり、砂漠の中に水溜りまでが出来ていました。

砂漠に出現した水たまり

防風林に囲まれた広大なトウモロコシ畑
今回の訪問した内モンゴル自治区通遼市ホルチン砂漠は、以前に訪問した灼熱のタクラマカン砂漠と比べると乾燥度合いからすると迫力にかけますが、日本から一番近い砂漠ということで、多くの民間団体によってこの地で植林活動が行われていて、環境学習の場、観光スポットとして人気を集めています。

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